岸部四郎 車イスで歌う 手にトラブル

 44年ぶりにオリジナルメンバーで復活したグループサウンズの伝説的グループ「ザ・タイガース」が27日、東京ドームで再結成ツアーの最終公演を行った。この日は元メンバーの岸部シローこと岸部四郎(64)が、サプライズで登場。集まった4万5000人のファンを驚かせた。

 ドラムス・瞳みのる(67)が押す車イスに乗って四郎が登場すると、場内はどよめきと大拍手。ボーカル・沢田研二(65)の「岸部四郎もザ・タイガースの一員です」という紹介に続いてビートルズの「イエスタディ」を熱唱した。

 ベースの兄・岸部一徳(66)の刻むリズムに乗って、か細い声ながらもフルコーラスを歌い、「本当はもう少し上手なんですが、きょうはこれが精いっぱい。魅惑のウィスパーボイスです」と笑わせた。歓声に応えて挙げた左手のひらには、トラブル続きの人生をネタにするように、「トラブル」の文字がマジックで書かれていた。

 四郎は経営していた会社が不渡りを出したことや、前夫人との離婚費用などが原因で、多額の借金を背負い、自己破産。1998年4月に、司会を務めていた日本テレビ系「ルックルックこんにちは」を緊急降板し、大騒動となった。

 2003年に患った脳梗塞の後遺症で視野狭窄(きょうさく)となり、歩行が困難な状況。12年1月の沢田の日本武道館公演で姿を見せて以来の公の場となった。武道館公演後に大たい骨を折り、現在はリハビリ中。

 四郎は脱退した加橋かつみに代わって、69年から兄・一徳が在籍したザ・タイガースに加入した。

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