歌舞伎俳優・中村獅童（４１）の母で、今月１７日に心不全のため急死した小川陽子さん（享年７３）の葬儀・告別式が２０日、東京・南青山の梅窓院で営まれた。獅童は悲しみをこらえながら、約５００人の弔問客に対応。喪主あいさつでは「中村獅童は小川陽子が作った最高傑作だと言われるようがんばります」と、歌舞伎俳優として大成することを涙ながらに誓った。

　最愛の母を亡くした悲しみを抱えながら何とか弔問客に対応していた獅童が、周囲の目もはばからずに涙をこぼした。喪主あいさつをした。心からの言葉に、弔問客からもすすり泣く声が漏れた。

　獅童は、幼い頃に父の故小川三喜雄さんが歌舞伎俳優を廃業していたため、後ろ盾がない俳優だった。そんな獅童が大成するようにと、付き人代わりを務め、時には鏡台をかついで奔走したのが陽子さんだった。

　二人三脚で走ってきたかけがえのない存在を失い「ぼくはオフクロがいないと何もできないんだと、今ごろになって分かりました。どれだけオフクロが支えてくれていたか、本当のところはこうなるまで分かりませんでした」と喪失感を語った。最後は「皆さまの前で言わせてください。お母さん、本当にありがとう！」と絶叫した。