島本、亡き小橋前監督に捧げる夏1勝
「高校野球・大阪大会1回戦、島本11-1(5回コールド)池田北」(13日、舞洲)
大阪大会の1回戦が舞洲ベースボールスタジアムなどで行われ、島本が11-1で池田北を5回コールドで下した。
ヤクルト・池山2軍野手総合コーチの恩師で1983年に市尼崎を甲子園に導き、今年2月に島本を指導しながら急逝した小橋洋前監督(享年74)へ捧げる1勝に、ナインは喜びを噛みしめた。
2安打4打点でコールド勝ちの原動力となった4番・田中遼平主将(3年)は「とりあえず1つ勝てたんで、恩返しにはなったかなと思います」。前日の12日には3年生全員で大阪府内にある小橋前監督の墓前に手を合わせた。「野球ができて、自分たちがここにいるのも監督さんのおかげ。最後に勝たせてくださいとお願いしました」。ベンチには小橋監督の写真があった。
序盤から着実に得点を重ね、四死球でもらったチャンスを確実に生かした。それは小橋前監督の教えだった。「いつも監督さんから『今は何すべき時ぞ』という話を良く聞いていました。技術的なことよりも精神的な部分。それを毎日考えながら練習をやってきた」と田中。好機を確実に得点へつなげた。守りでは再三の好守備で最少失点で切り抜けた。場面、場面で飛び出した最高のプレー。今年2月、訃報に接した際、選手達は大きなショックを受けたという。
前日まで元気に指導してくれた小橋前監督が突然、グラウンドに姿を見せなくなった。入院したという話を聞かされた数日後、飛び込んできたのは亡くなったという一報。「あまりにも突然で…。昨日まで元気やったのに、急な話でビックリしました」と田中は明かす。
そんな悲しみを乗り越え、恩師に捧げる夏、2年ぶりの1勝。主将は「次もしっかりと頑張りたい」と力を込めた。