メジャー希望の金子がなぜ国内FA行使

練習を終えバスに乗り込む金子千尋=鳴尾浜(撮影・山口 登)
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 オリックスの金子千尋投手(31)が11日、今季取得した国内FA権を行使する意向を球団に伝えた。ポスティングシステムを利用してのメジャー移籍を視野に入れていた同投手は、なぜ国内FA権を行使したのか…。

 金子はこの日、侍ジャパンのメンバーとして鳴尾浜での練習に参加。権利行使について「すべての可能性を考えていきたいということで、こういう形になりました」と説明した。

 国内FA宣言となれば、残留、もしくは獲得を希望する他の国内球団への移籍というのが通常の形。しかし、メジャー移籍希望のある選手については、これ以外の選択肢も可能性としてはある。

 宣言残留決定後、あるいは残留が決まっていないFA状態で、ポスティングシステムを利用してのメジャー移籍を目指すというものだ。金子の場合、どちらのケースでも、同システムによる落札金はオリックス球団に支払われる。

 オリックスの瀬戸山球団本部長は「昨日まで相当悩んでいたようだ。オリックスに愛着があるとは言っている。条件についてはこれから話し合いの余地があると言ってます」とコメント。これまで金子には、ポスティングシステムの利用について「こちら(球団)側としては考えていないと本人に言ってきた」と言うが「FA宣言をされたので、これからはいろんなことが出てくるかもしれないが、今はこちらから言いづらい」と話した。

 今季の推定年俸2億円でAランクの金子が仮に国内FA移籍した場合、オリックスは移籍先球団に1億円の金銭補償+人的補償、もしくは金銭補償のみ1億6000万円を求めることができる。一方でポスティングシステムの最大落札額は2000万ドル(約23億円)。どちらにせよ移籍するのであれば、オリックスがポスティングを選択してもおかしくはない。

 オリックスがそれでもポスティングを認めない場合はどうか。あくまで可能性としての話にはなるが、金子は国内他球団へ移籍し、移籍先の球団で来オフ、ポスティングを認めてもらうという方法もある。エース級の投手を1シーズン確保でき、オフには多額の落札金が入るとなれば、検討する球団があるかもしれない。

 金子、そしてオリックスが最終的にどんな結論を出すかは分からない。しかし今後、メジャー挑戦の夢を持つ選手が、国内FA権を取得した場合の“裏技”として使う可能性は否定できない。

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