大谷、六回途中無失点も勝敗つかず 好守後に笑顔で打者へ“謝罪”チームは4連敗借金3
「エンゼルス1-3レイズ」(5日、アナハイム)
エンゼルスの大谷翔平投手(26)が先発し、六回途中1安打無失点、与四球6、奪三振7。粘りの投球で勝利投手の権利をもって交代したが、救援投手が逆転を許して2勝目はならなかった。84球を投げてストライクは47球、最速は161キロだった。防御率2・41。チームは今季最長タイの4連敗を喫し、借金は同最多の3となった。
レイズの筒香嘉智内野手(29)は「7番・一塁」で3戦ぶりに先発し、3打数1安打。八回に5戦23打席ぶりの安打となる右翼線二塁打を放って打率・162。大谷とのメジャー初対決は左飛、四球だった。
マウンド上で唇を噛んだ。1点リードの六回。大谷が先頭ディアズを初球スライダーで空振りを奪った後、8球連続ボールで2人の走者を背負った。一打同点のピンチ。ベンチから飛び出したマドン監督を見た右腕が悔しそうな表情を見せた。
打者として出場した2日のマリナーズ戦で右肘に死球を受け、予定されていた3日の登板を回避した。9日ぶりとなった登板は初回、先頭ローを4球連続ボールで歩かせ、2死から2つ目の四球を与える。しかし、5番キーアマイヤーをスプリットで空振り三振に斬って窮地を脱した。
二回1死の場面では筒香とメジャー初対決が実現。初球、154キロ直球で左飛に打ち取った後、8番フィリップスにこの日唯一の安打となる右前打を許すも後続をスプリットで空振り三振に仕留め、つけ入る隙を与えなかった。
三回と四回はいずれも2死から四球を出すも後続をピシャリ。1点リードの四回のメヒアの打席では4日の今季初登板以来となる100マイル(約161キロ)を計測。五回は2三振を含む三者凡退の快投を披露しただけに悔しい降板となった。
見る者の心を癒すシーンもあった。三回1死。2番メドウズが放った時速151キロのライナー性の打球を反応で捕球した。一度は弾いてグラブから飛び出した球を素手でキャッチ。好捕後に相手打者から何か言葉を掛けられたのか、大谷は打者の方へ近寄っていき、笑顔で「Sorry(ごめんね)」。大谷が醸し出す空気に中継局の解説「That’s abeautiful moment.(素晴らしい瞬間ですね)」と言って笑った。
エンゼルスは六回無死一、二塁から大谷の後を受けてマウンドに上がったロドリゲスが、1死満塁から筒香を遊ゴロ併殺に打ち取って無失点。しかし、3番手ゲラが七回に逆転3ランを被弾する。投手に専念した大谷、けがのレンドンとアップトンを欠く打線に反撃の力は残っていなかった。