ダルビッシュ「本当にすごく嬉しかった」押し出し四球で気迫のガッツポーズ

 カブス戦に先発し7回途中まで1失点で、プレーオフ2勝目を挙げたドジャースのダルビッシュ=シカゴ(共同)
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 「ナ・リーグ優勝決定シリーズ・第3戦、カブス1-6ドジャース」(17日、シカゴ)

 ドジャースのダルビッシュ有投手(31)が6回1/3を投げ、6安打1失点でポストシーズン(PS)2勝目。1四球7奪三振、81球だった。打席では六回2死満塁から四球を選び、PS初打点も記録した。チームはシリーズ3連勝で88年以来、29年ぶりのワールドシリーズ進出に王手をかけた。

 左翼フェンスを越えて行く打球をダルビッシュは振り返らなかった。初回。1死からシュワバーへの初球、外角低めの143キロカットボールを完璧に捉えられた。その後も2安打を許し、2死一、二塁とされたが、ジェイを154キロ速球で見逃し三振に仕留め、ピンチを脱した。

 敵地で先制される嫌な展開だったが、「最初のホームランの時は(敵地が)すごく盛り上がってるなあって思いましたけど、その後は気にせずに投げられた」とダルビッシュ。自身の投球についても「ストライクを取ることだけを考えた。(打者への)アプローチは何も変えてません」と泰然自若。頭に描いた投球プランを貫いた。

 流れを呼び戻したのはベテランの一振り。PS初スタメンの37歳、イーシアが二回に右越えソロ弾で同点に。三回にはテイラーが中越えソロ弾で勝ち越しに成功した。そのテイラーは五回にも適時三塁打を放ち、ダルビッシュの力投に応えた。

 二回以降のダルビッシュはスコアボードにゼロを並べ続けた。四回2死一、二塁の場面は投手ヘンドリクスを空振り三振。六回1死一塁からは遊ゴロ併殺で反撃の芽を摘んだ。

 「本当にすごくうれしかった」。そう振り返ったのは六回の打席だ。2点リード、2死満塁。ネクスト・バッターズ・サークルではグランダーソンが代打の準備をしていたが、ロバーツ監督はダルビッシュを打席に送り出した。

 「監督はギリギリのギリギリまで代打を出すかどうか迷ってたので、最後は『行け』と言われただけでした。特にこうしろというのはなかったですけど、(球速が)95、6(マイル)のカットする特殊な球なんて打てるわけないので、フォアボールかデッドボールか、なんか起きたらいいなと思ってました」

 打席内ではバントの構えを見せながらバットを引き、4球連続でボールを見送って四球を選んだ。ボールと判定された瞬間、気迫のガッツポーズ。バットを投げ捨てるようにしてから一塁へ歩いた。

 レンジャーズ時代の15年3月に右肘のじん帯再建手術(トミー・ジョン手術)を受けた。復帰までに1年2カ月もの時間を要した。ダルビッシュは「今はトミー・ジョンの前よりいい投球をしてますし、今の自分の方がいいピッチャーだと思います」と断言した後、こう続けた。「ピッチャーというか、どの仕事も簡単ではないので、『極める』っていうことはないですから、今がいいというだけで」。

 投打の歯車ががっちり噛み合い、球団史上初のポストシーズン6連勝。ドジャースがワールドチャンピオンになった88年以来、29年ぶりのワールドシリーズ進出にあと1勝とした。

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