イチロー、古巣球場最終打席で『御礼弾』「印象に残るわねぇ、これは」

イチローの先発出場が発表されるとスタンドが沸いた(撮影・小林信行)
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 「マリナーズ10-5マーリンズ」(19日、シアトル)

 マーリンズのイチロー外野手(43)は「9番・右翼」で出場し、今季1号を含む4打数2安打1打点。出場8試合14打席ぶりのヒットなった四回の左前打と合わせ、今季初のマルチ安打でメジャー通算3033安打とした。メジャー1年目の01年から12年途中までプレーした古巣との今季最後の試合で快音を連発し、敵地ファンの心を揺さぶった。

 6点ビハインドの九回。先頭でこの日最後の打席に入ったイチローの頭の中にはホームランを狙うことしかなかった。

 拍手、歓声、イチローコール。気持ちが高ぶってもおかしくない状況だったが、イチローは「(マリナーズの)ファンも喜んで、いい点差だし、そういう意味では一番、理想的な場面だった」と状況を冷静に分析。代わったばかりの右腕、マーシャルの初球、高めに浮いた150キロ直球を渾身の力で振り抜くと、打球は右中間席最前列に吸い込まれて行った。

 打った瞬間の感触を「詰まってたからねぇ。外野手(の頭)は越えたと思ったんだけど、あの感じでここでホームランを打ったことがなかった」と表現したイチロー。飛距離およそ115メートル。滞空時間4・8秒。オリックス時代の93年から25年連続となるホームランを「印象に残るわねぇ、これは」と振り返った。

 シリーズ初戦となった17日の試合前には昨年8月に達成したメジャー通算3000安打の偉業を称えるセレモニーが行われ、最終3戦目のこの日は入場者2万人にイチロー首振り人形が配布された。長年プレーした古巣とはいえ、敵軍の選手に対しては異例とも言える対応だった。

 「もう全部、期待以上のもので表現してくれるから、もう、なんだろ、打てて本当によかった、最後に。これだけ盛り上げてくれて寂しい感じで帰りたくないからゲームを度外視して、展開、勝ち負けに関係なく、今回はそれをしたかった。そういう思いがとても強かったです」

 見る者の心を揺さぶった一振り。そこには、イチローの感謝の気持ちがぎっしり詰まっていた。

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