七変化の彩風咲奈たちが極上の船旅へ誘う、宝塚雪組『オデッセイ』が開幕

宝塚歌劇団雪組トップスター・彩風咲奈(あやかぜ・さきな)主演のレヴュー『ODYSSEY(オデッセイ)-The Age of Discovery-』が、21日に「梅田芸術劇場メインホール」(大阪市北区)で開幕。同作は2022年1月に東京で上演される予定だったが、新型コロナウイルスの影響で初日直前に全公演中止となり、今回が待望の「再出航」となった。

マントをひるがえし貫禄たっぷりに、伝説の海賊船「オデッセイ号」を率いる彩風扮する海賊王ブルームが、世界の国々を巡る同作。月の女神セレネに扮したトップ娘役の朝月希和(あさづき・きわ)、太陽の神アポロンに扮した男役スター・朝美絢(あさみ・じゅん)たちも加わり、荒波も乗り越え前へと進むパワーにあふれた主題歌を歌い上げるプロローグの大コーラスが圧巻。観ている方まで力が湧いてくるようだ。

ロングヘアのワイルドなブルームがまず訪れたのがニューヨーク。ドアボーイ(縣千/あがた・せん)とのコミカルなやり取りの後、黒いタキシード姿に変身し、スタイリッシュな美女(朝月)とムーディに踊る。そこから舞台は中国、アラビア、イタリア、ブラジル、フランスなど様々な場面へと展開し、多ジャンルの名曲をダイナミックなダンスと歌で享受できる。まさに世界巡りを描いた日本初のレヴュー『モン・パリ』誕生95周年にふさわしい、王道をゆく豪華さだ。

彩風は「カルメン」のドン・ホセや、白軍服の紳士、映画の世界に生きる名優ジェラール・フィリップ、長い手脚を惜しみなく披露する美しいダルマ姿(水着のような衣装)まで七変化。さらにショースターの真骨頂を、ミシェル・ルグランの名曲に乗せて流れるように踊る群舞で魅せる。今年12月での退団を発表している朝月も、背中にまで洗練された娘役の美を見せ、彩風と息ぴったりだ。

朝美絢も麗しい中国の美男、若手男役たちと学ラン風の衣装でパワフルに踊る場面、オペレッタの堂々とした歌唱、妖しいメフィストフェレスなど幅広い魅力を見せ、スターの煌めきを放つ。

名ダンサーの縣千は表現力を身につけた歌声でも場面を彩り、眞ノ宮(まのみや)るい、華世京(かせ・きょう)たち若手男役の活躍も目立つ。また宝塚のディーバ、専科の美穂圭子が公演後半(7月29日~8月7日)に出演する場面を、入団4年目の音彩唯(ねいろ・ゆい)が担い(7月21日~26日)、意表をつく「お祭りマンボ」などを安定した歌声で披露した。

ブルームたちが最後にたどり着く地は宝塚。シルクハットに黒燕尾服というクラシカルなスタイルで夢の国へいざない、贅沢な船旅は最高のクライマックスを迎える。同作は「梅田芸術劇場メインホール」で8月7日まで上演。千秋楽の7日午後1時公演は、全国映画館でのライブ中継とライブ配信がおこなわれる。詳細は公式サイトへ。

取材・文/小野寺亜紀

 

(Lmaga.jp)

関連ニュース

編集者のオススメ記事

関西最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(芸能)

    話題の写真ランキング

    デイリーおすすめアイテム

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス