ある調味料を入れるとふわっふわ…! ホットケーキや台湾カステラの隠し味にも? 宝酒造にスゴさを訊いた
肉じゃがや魚の煮付けなど煮物以外に、なかなか使うタイミングが難しいというイメージを抱いてる人も多いだろう、日本伝統の調味料「みりん」。そんななか、ホットケーキにいれると喫茶店みたいになるといったツイートが話題に。
「みりんかあ・・・!なるほど」「さっそく明日作る」「ぜひ真似してみたい」「やってみたけど、簡単なのにアホほどうまかった」「絵本で見たやつを家で作れるなんて・・・」などさまざまな声が上がっており、記者も試してみると・・・これまで人生で作ったなかで1番の仕上がりとなり、感激した。
「市販のホットケーキミックス、記載の分量から牛乳を20ccほど減らして溶かしバターとみりんを各大さじ1足すだけでびっくりするほど喫茶店の味に。オススメ。」
このレシピを、9年前の2012年にツイートしたさお(@choco_ya)さん。みりんを入れてみたきっかけを訊くと、「どら焼きやカステラの作り方を調べているときにみりんを入れると知って、ホットケーキにも試してみたのがきっかけでした。思いついたというより、昔からある和菓子の知恵をお借りした形です」。なるほど、日本の伝統菓子にはみりんが使われていたんだ・・・。
補足として、さおさんは「焼く直前にレモン汁を小さじ1入れると焼いてるうちにベーキングパウダーがシュワシュワ反応して焼き上がりがふわっふわのふっかふかになります。生地の捏ねすぎだけ注意」とコメント。ぜひ試してみてほしい!
◆ ホットケーキにみりんを入れるとおいしくなる理由公式サイトでホットケーキにみりんを入れることをおすすめしている京都の酒造メーカー「宝酒造」(本社:京都市下京区)の調味料担当・長嶺さんに詳しい話を訊きました。
──ホットケーキにみりんを入れるとなぜおいしくなるのでしょうか?
ホットケーキの生地にみりんを入れると、糖とアルコールの効果でふっくら仕上がるんです。そして独特の醸造臭が意外にもホットケーキなどの小麦を使ったお菓子との相性が良く、粉っぽさを覆い隠す効果もあるんですよ。そして旨み成分のアミノ酸も豊富なので、ただ甘いだけでなくおいしさがアップするんです。
──みりん1つでいろいろな効果があるんですね!
そうなんです。あとホットケーキなら、みりんを煮詰めて作る「みりんシロップ」もおすすめです。お米由来のやさしい甘みと旨みが、はちみつやメープルシロップにも負けないおいしさでヘルシーです。これなら赤ちゃんや小さいお子さんにも安心なので、ぜひおすすめしたいです。
──みりんシロップ、めっちゃ気になります。
ほかにも、スイーツなら「みりんアイス」や「みりん台湾カステラ」なんかもおすすめですよ。
──台湾カステラまで! どれもおいしそうで、試してみたくなります。
簡単なのでぜひ作ってみてください。ちなみに私は、みりんをどんな料理にも入れています。砂糖の代わりに使うのはもちろん、「味が決まらないな~」というときに足してみると味がまとまります。また、レトルト食品のちょっとカドがあるなと感じるものに入れてみたり、酢の酸味を抑える効果もあるので、子ども用の酢の物などに入れたりと、本当に何にでも使えて失敗することがない万能調味料なんです。
──何でも使えるうえに、おいしくなるなんて魔法の調味料ですね。
そうなんです。簡単においしくなるので、手抜きをしたい人にこそ使って欲しいです。
──今日から我が家でもみりんの使用量が増えそうです。いろいろ作ってみたいと思います! ありがとうございました。
「宝酒造」さんにみりんを使ったスイーツレシピを訊き、作ってみました。
◆ 「宝酒造」に訊いた、みりんを使ったスイーツレシピ『みりんミルクアイス』<材料(2人分)>
タカラ本みりん…80ml
生クリーム…50ml
牛乳…50ml
(1)みりんを半量になるまで鍋で煮詰める
(2)ポリ袋に生クリーム、牛乳、(1)で作ったみりんを加えて冷凍庫で凍らせる
(3)途中で二度ほど揉みほぐし、しっかり凍ったら出来上がり
『ふわふわ台湾カステラ』<材料(4人分)>
タカラ本みりん…50ml
ホットケーキミックス…50g
卵…3個
サラダ油…50ml
(準備)
炊飯器にサラダ油(分量外)を薄く塗っておく。卵は卵黄と卵白に分けておく(お使いの炊飯器によってはこの調理方法が適さない場合もありますので、取扱説明書をよくご確認のうえ調理ください)
(1)耐熱用のボウルに油を入れて、電子レンジ(600W)で約20秒間温める。そこに、ホットケーキミックスを加えて、泡立て器でしっかり混ぜ合わせる
(2)タカラ本みりんを耐熱容器に入れて、電子レンジ(600W)で約20秒間温めて、(1)に加えて、更にしっかり混ぜ合わせる
(3)(2)に卵黄を加えて、しっかり混ぜる
(4)別のボウルで、卵白を泡立てる。しっかりツノが立つくらいに泡立ててる
(5)(3)に(4)を2回に分けて加え、泡をできるだけ潰さないように気をつけながら、ゴムベラで混ぜ合わせる
(6)(5)を炊飯器に流し入れ、普通の炊飯の要領でスイッチを押す。炊き終わったら、竹串を刺して生地がつかなければ、炊飯器から出し、粗熱をとったら出来上がり
※まだ焼き上がっていないようであれば、もう1度スイッチを入れてみる。冷やしてもおいしい
『万能みりんシロップ』<材料(100ml分)>
タカラ本みりん…200ml(1カップ)
(1)鍋にみりんを入れ、中火にかける。
(2)沸騰したら弱火にし、約半量になり、とろみがついたら完成。
取材・文/野村真帆
(Lmaga.jp)