花組・柚香光が古代ローマの英雄に扮する新作と、情熱的なラテン・ショーを生中継
彫りの深い美貌や卓越したダンス力、繊細な芝居で惹きつける宝塚歌劇団花組の柚香 光(ゆずか れい)が、トップスターとして初の大劇場オリジナル作品に挑む『アウグストゥス-尊厳ある者-』『Cool Beast!!』。4月2日に「宝塚大劇場」で開幕する同作の千秋楽公演が、全国の映画館で生中継され、ライブ配信される。
『アウグストゥス--』はローマ史上初の皇帝となり、「尊厳者=アウグストゥス」の称号を与えられたオクタヴィアヌス帝が主人公。柚香演じるガイウス・オクタヴィウスは、シェイクスピア戯曲のジュリアス・シーザーとしても有名なカエサルの大甥であり、非業の死を遂げるカエサルの後継者となる。
アントニウス(瀬戸かずや)やブルートゥス(永久輝せあ)らとの対立の果てに、「パクス・ロマーナ(ローマの平和)」を実現したオクタヴィウスの胸中とは--。政敵ポンペイウスの娘・ポンペイア(華 優希)とのドラマティックな関係など、フィクションと史実を織り交ぜて描かれる。
宝塚にはアントニーとクレオパトラの悲恋を描いた『真紅なる海に祈りを』(1986年)や、『暁のローマ』(2006年)など、古代ローマを題材にした作品があるが近年は決して多くはない。華やかなコスチュームや立ち回り、野望や憎しみが絡む男たちの物語は必見だ。
さらに専科の男役スター・凪七瑠海(なぎな るうみ)が演じるクレオパトラ7世も登場し、さまざまな女性たちの生き様も胸に迫るミュージカルになるだろう。
『Cool Beast!!』は、野性的な色気をもつ柚香が「Beast=野獣」に、トップ娘役の華が「艶花」に扮し、Beastが見た夢をストーリー仕立てでつづるラテン・ショー。
褐色のメイクで熱く歌い踊るショーは、「花男」「花娘」と称される花組の伝統あるスピリットが炸裂するはず。シャープな柚香のパフォーマンスはもちろん、今作で卒業する瀬戸かずやの、大人の魅力あふれる「極めた男役像」も見逃せない。
また『はいからさんが通る』の花村紅緒役など、記憶に残る名演を見せてきたトップ娘役・華 優希も今作で卒業が決まっており、千秋楽にはショーのキャスト全員が出演する「華優希サヨナラショー」と、退団者挨拶がおこなわれる。
5月10日・13時千秋楽のライブ・ビューイングは、先行抽選販売が3月21日~4月5日、一般発売日は未定。料金は全席指定で4700円。ライブ配信は「Rakuten TV」および「U-NEXT」にて実施。販売は5月3日~5月10日。料金は3500円。
文/小野寺亜紀
(Lmaga.jp)