手越祐也「タブーやNGは障害、楽しめるエンタメを取り戻したい」

2020年6月にNEWSを脱退し、ジャニーズ事務所から独立した手越祐也。以降は音楽面だけではなく、YouTubeチャンネル『手越祐也チャンネル』を立ち上げるなど幅広く活動し、さまざまな著名人とのコラボも話題となっている。

そんな手越が3月7日、「京セラドーム大阪」(大阪市西区)で開催された『関西コレクション2021 SPRING&SUMMER』のライブステージに出演。そこで今回、イベントの合間に手越のインタビューをおこない、現在の活動状況のほか、あの緊急記者会見の裏側などについて話を訊いた。

取材・文/田辺ユウキ

「会見のアーカイブ、2時間長すぎて観てません(笑)」──『関西コレクション』の今年のテーマは「つきぬけろ。」でしたが、この言葉は手越さんの生き方にも通じている気がします。これまでの活動で「自分の殻を破り、つきぬけることができた」と思えた仕事はありますか。

やっぱり『世界の果てまでイッテQ』(日本テレビ系)ですね。バラエティに初めてチャレンジしたし、しかもあまり行ったことがない海外をまわる内容。いろんな国の人たちと接し、さらにお笑いのスペシャリストの方たちに囲まれて、プレッシャーもかなりありました。さまざまな経験をさせていただいたことで人生観が変わり、殻を破ることができました。

──「殻を破れた」と実感したロケはありますか。

スイスでダムの上からバンジージャンプをやったときですね。高いところが得意ではないんですが、バラエティ番組としては苦手なことを頑張る方がおもしろい。スイスでバンジーをやるか、やらないかの決断は僕次第でしたが、人生を変えてくれた『イッテQ』のオファーは断りたくなかったんです。

──苦手だけど、やってやろうと?

番組関係者のみなさんも「おもしろい画が撮れる」と期待してくれていたはずだし、それに応えたかった。本音を言うと超イヤだったけど(笑)、「もちろんいきます!」って。

それにバンジージャンプは自分から飛び出さなきゃいけない。周りが突き落とすわけにはいかないから。自分の意思で一歩を踏み出せたのは、「己に勝つ」という意味で大きかったです。あと「つきぬけた」という点では、やっぱり2020年の独立です。

──やはりそうですよね。

お世話になった場所であり、普通ではそんなことは考えられないほど恵まれた環境で活動できていた。だからこそ「新しいところに踏み出した」と感じられた瞬間でした。

──独立発表の緊急記者会見は、個人的には昨今でもっともおもしろい会見でした!

ハハハハ、ありがとうございます!(笑)。

──約2時間、記者の質問に応じながらも、手越さんがひたすら喋り続けましたよね。もともと「とにかく喋り続けよう」と想定をしていたんですか。

いえいえ。喋る内容も全然考えていなかったし、本当に「なにを聞いてくれても良いですよ」という状況で、どんな質問がくるかも分からなかった。会場の時間の都合もありましたし、「アタマで15分くらい自分で喋って、そのあと40分ほど質疑応答をして終えよう」と予定していました。

──1時間以内で終えるはずが大幅に時間オーバーしたわけですね。

みなさんと喋れたことが、僕的にうれしすぎて(笑)。記者会見に出る前からワクワクしていたんです。で、喋っているうちに楽しくなっちゃった。記者の方のなかには「手越の粗を見つけてやろう」という方もいたはず。自分は普段から「アンチが大事」と話していますが、僕からしたら、どんな目的を持っていてもその場に足を運んでくださった事実がありがたかった。

──だから、なにを聞かれてもOKだったということですね。

それだけ自分に興味を持ってくださっていたことなので。「厳しい意見も来るだろう」と考えていたけど、感謝の気持ちの方が強かった。だから「どんな質問であっても真摯に答えよう」と決めていました。記者の方たちと僕の熱量も大きかったから、2時間もの記者会見になったのではないでしょうか。

──アーカイブであの記者会見の映像をあらためて観ましたか?

いや、観ていないですね。長すぎて・・・。

──自分でも長いと自覚されているんじゃないですか!

だって2時間ですよ? サッカーの試合でたとえると、延長戦にまで突入している。長すぎてさすがに観られないです(笑)。

「暴れん坊も良い子ちゃんも演じられない。全部、俺なんです」──YouTubeチャンネルでも、手越さんはつきぬけていますよね。過去の最高月収を明かしたりして。タブー、NGは極力設けないのが、いまの手越さんの活動スタイルですか?

タブーやNGって神様が作ったわけではないし、エンタメを楽しくするための障害でしかない気がします。ルールはもちろん必要ですけど。格好良いエンタメを作るために必要なものだったら、なんだってどんどんやるべき。それに僕らがエンタテインメントをやる意味って、誰もがおもしろがれるコンテンツを作ることが目的だったはず。それなのに「あれはダメ、これはダメ」とか、それって僕ら側の問題じゃないですか。

──タレントや事務所の都合ということですね。

確かにしょうがないことでもあるんです。それでも、観てくれる人たちには関係ないことをタブーと言っちゃうのは勿体ない。自由度が高くて、純粋に楽しめるエンタメを取り戻すにはどうしたら良いか。それを誰かが発信しなきゃいけない。最初に発信した人はきっと矢が飛んでくるはず。「変えられるわけないじゃん」と笑われるはず。だけど、ほんの少しでも「最近のエンタメは楽しい」と言わせたら勝ち。僕はそういう風に変えていきたい。

──芸能活動の一方で、ボランティアや社会活動もおこなっていらっしゃいますね。ただ、そういった姿をメディアが取り上げると、あらぬことを書き立てられたりする。報道への抵抗はなかったですか。

なかったです。逆に僕は、もっとメディアで取り上げるべきだと考えています。動物保護、身体が不自由な方への支援、コロナ禍での飲食支援など、有志の活動をしているタレントさんは多くいます。それが知られていない状況は、僕はまずいと感じるんです。タレント、インフルエンサーによる社会活動を通して、認識が深まることは必ずありますから。

──まさにそうですよね。

もしかすると「自分も体験してみよう」となるかもしれない。その活動が誰を笑顔にできるか、知ることもできる。でも発信したり取り上げられたりしないと問題が埋もれるし、支援も広がらない。確かに「売名目的」「偽善」とよく言われます。だけど誰かを助けることができたら、それで良いじゃないですか。募金やボランティアの輪を広げるためにはメディアのパワーは絶対に必要。困っている人たちが世界には多くいることを知ってほしい。

──手越さんはいろんな顔を持ち合わせていますね。ヤンチャでチャラいというイメージもひとつの魅力ですが。

ステージの上にいる僕も、バックヤードにいる僕も、まったく変わらないんです。「こんな自分でしかいられない」と言いますか・・・。暴れん坊も、良い子ちゃんも演じられない。俺なんですよ、全部。アーティスト、ボランティア、すべてが手越祐也。そんな僕のチャレンジを見て、「自分もやってみようかな」とポジティブになれる人が出てきてほしい。いろんな活動をやっていますが、俺はいま、楽しいです!

(Lmaga.jp)

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