柚希礼音と愛希れいか、マタ・ハリ役で神秘的な寺院の踊りも

韓国で20万人を動員したフランク・ワイルドホーン作曲の新作を、2018年に日本初上演し大きな感動を呼んだミュージカル『マタ・ハリ』。楽曲のパワー、繊細な心の動きを引き出す演出、キャストの熱演が融合したドラマティックな舞台が、6月から7月に新たなキャスティングで再演される。

戦時下でオリエンタルな魅力を放つダンサーとして脚光を浴び、女スパイの活動も強いられたマタ・ハリ。実在した彼女の数奇な運命を、初演で魂のこもった踊りと歌、強く芯のある演技で表現した柚希礼音が再び演じる。さらに『エリザベート』に主演するなど、確かな実力の持ち主・愛希れいかが、ダブルキャストで同役に。

2人は宝塚歌劇団在団中から、裸足でソウルフルなダンスをセンターで披露するなど、優れたダンサーとして知られる。マタ・ハリが辛い過去を乗り越えるきっかけとなった、ジャワでの体験から生み出された「寺院の踊り」は、それぞれの持ち味が自然とにじみ出て、再演でも大きな見どころとなるだろう。

また、マタ・ハリをスパイへと導くと同時に、屈折した愛情を抱くラドゥー大佐と、彼女と純粋に愛し合うパイロットの青年アルマン。物語を動かすこの2役を、初演では回替わりで演じる離れわざをやってのけた加藤和樹が、再演ではラドゥー大佐のみに集中。さらに高い歌唱力と品のある田代万里生が、ダブルキャストでのぞむ。

アルマン役は新たに加わった三浦涼介と、初演でも同役を演じた東啓介との競演に。三浦は数々のステージで色濃い持ち味を発揮する若手注目株。東は3年前、努力して身につけたパワフルな歌声を活かし、甘く切なくアルマンを好演した。個性の異なる2人のアルマンが楽しみだ。

ほかにマタ・ハリを献身的に支える衣装係アンナ役は、いつも舞台全体を包み込むような温かい芝居を見せる春風ひとみ。ドラマでも活躍するバレエダンサー・宮尾俊太郎は、ドイツの高等将校ヴォン・ビッシング役で存在感を見せてくれることだろう。

再演も初演と同じく石丸さち子の訳詞・翻訳・演出。人間の光と闇、戦時下での残酷さと生きる希望。両極面を繊細な感性で描出した舞台が、3年を経たことでより深まるはず。

公演は6月15日から27日まで「東京建物 Brillia HALL」(東京都豊島区)、7月10日・11日に「刈谷市総合文化センター アイリス 大ホール」(愛知県刈谷市)でおこなわれた後、7月16日から20日まで「梅田芸術劇場メインホール」(大阪市北区)で上演。チケットは4月24日発売。

文/小野寺亜紀

(Lmaga.jp)

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