音楽の神に愛された雪組・望海風斗、「男役集大成」の千秋楽を生中継

身体全体が楽器のような、パワフルかつ精緻な温かい歌声で魅了する宝塚歌劇団雪組トップスター・望海風斗(のぞみふうと)。4月11日、「東京宝塚劇場」(東京都千代田区)での卒業公演千秋楽をもって、18年間のタカラヅカ人生に別れを告げるが、その舞台の模様が全国各地の映画館で生中継され、全編ライブ配信される。

望海が挑むラストステージは、「『fff-フォルティッシッシモ-』~歓喜に歌え!~」と『シルクロード~盗賊と宝石~』。さらに当日は、思い出深い作品を振り返るサヨナラショーと、退団者挨拶のセレモニーまでおこなわれる。

すでに「宝塚大劇場」では2月8日に卒業公演を終えた望海。『fff--』では革命的な音楽家、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンに扮し、不運に見舞われながら人生の最後に至上の喜びを歌う「第九」を完成させた心の軌跡を、型破りな演技で見せた。音楽の力を信じるベートーヴェンが、ものすごい熱量で歌うナンバーはまさに魂の叫び。画面越しでもそのエネルギーに圧倒されるだろう。

エキゾティシズムに富んだレビュー『シルクロード--』は、西欧とアジアを結び付けてきた交易路を題材に、時空を超えた旅がときに幻想的ときに華やかに綴られる。

ゴールデンコンビと称される、望海と同時退団のトップ娘役・真彩希帆(まあやきほ)。暗闇の死の世界から光満ちた世界へと旅立っていく場面での歌唱(菅野よう子氏楽曲提供)や、フィナーレのデュエットダンスなど、固い絆を感じさせるシーンは大きな見どころだ。

望海は花組から雪組へ組替え後の2番手時代に『ドン・ジュアン』という傑作に巡り合い、雪組トップスターになってからも『ひかりふる路』『ファントム』など、音楽の神さまに愛されているような彼女ならではの作品に恵まれた。

2003年4月4日に初舞台を踏み、2021年4月11日に卒業する望海。コロナ禍となり退団の時期が半年延びてしまうなど試練も多かったが、明るく温かい人柄にブレはない。雪組の仲間を、ファンを愛する彼女がラストデイに見せる姿を目に焼き付けておきたい。

ライブ・ビューイングは、先行抽選販売が2月20日~3月8日、一般発売日は未定。料金は全席指定で4700円。全編ライブ配信は「Rakuten TV」および「U-NEXT」にて実施。販売は3月28日~4月11日。料金は3500円。

文/小野寺亜紀

(Lmaga.jp)

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