国の協力要請基準に吉村知事「成り立つのか?」と疑問視

大阪府が6月29日、新型コロナウイルスへの対策本部会議を実施。国が示している協力要請の基準を「大阪モデル」と併用する案に対して、吉村洋文知事が「この基準で波を測れるのか? 専門家の意見を聞きたい」と疑問視した。

今回の会議では、コロナの状況を府民と共有するための独自基準「大阪モデル」の修正案について検討。

当初は要請解除に向けた基準であったことから、今後は感染者が増加したときに「警戒」として黄色信号、「非常事態」として赤信号を点灯、そして緑信号を「解除」として灯す方向で話し合われた。

感染拡大状況をモニタリングするための指標は、まず7日間平均で(1)感染経路不明者の前週増加比2以上(前回1以上)と(2)感染経路不明者数10人以上(前回5~10人)とそれぞれ基準を引き下げ。

これに、大阪大学核物理研究センターの中野貴志教授のK値を取り入れた(3)7日間の合計新規陽性者数が120人以上かつ後半3日間で半数以上を基準とする指標が加わり、これら3つが基準値を上回ったときに、警戒を意味する「黄色」信号となるなどの修正案が出された。

そんななか論点に上がったのが、社会への協力要請に向け国が示している「基準日」。これは、基準10万人あたりの新規感染者数(報告数)が、都道府県別で2.5人/週となった日から1~7日後に協力要請をおこなうというもの。

この基準だと人口884万8998人(2019年1月1日時点)の大阪府では、1週間の感染者数が222人、平均で1日32人になった日が基準日に。

この場合、感染者の増加傾向を重視した修正大阪モデルの基準を満たしていなくても「警戒(黄色)」となり、国による緊急事態宣言が出されれば「非常事態(赤色)」信号が点灯するという。

これに対し吉村知事は、「大阪モデルは、これまで培ってきた基準と中野教授のK値を取り入れ妥当だと思う。しかし、国の基準は平たく、絶対数がまったくない。この基準で生活に影響を与える黄色を付けるのは、どうかと思う。2.5人は基準として成り立つのか?」と疑問視。

これを受けて府の健康医療部・藤井部長は、「大阪の独自指標は継続。国の基準は簡単なため、これをもって即座に黄色を灯すかは、本部会議と専門家の意見もふまえ協議する。この方が妥当性は高まる」と提案し、今後も引きつづき検討されるという。

修正大阪モデルについては、専門家会議を経て7月中旬に本部会議で決定される予定。また現在、点灯している「解除」の緑信号は、6月30日をもって消灯されることが決定した。

取材・文・写真/岡田由佳子

(Lmaga.jp)

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