観光地・奈良の主な寺院が拝観再開、でもお土産物店主の苦悩はつづく

東大寺、興福寺、薬師寺、唐招提寺など、奈良県の主要な寺院は6月1日からの拝観再開を予定している。

近鉄奈良駅前のお土産物店は営業を再開しているが、普段なら修学旅行生でにぎわう寺院門前のお土産物店はどのような状況なのだろうか。唐招提寺門前と東大寺門前の店主にそれぞれ訊いた。

SNSで「#奈良のお土産を助けてください」と発信し、業者・メーカーからの依頼で大量返品されたお土産を通販で売り切った唐招提寺門前の『西の京みやげ処きとら』(奈良県奈良市)。イートインもでき人気の同店は、6月17日からの再開を予定している。感染予防対策として、入口に消毒液を設置。イートインの座席数を減らし、営業時間を当分の間は2時間短縮する。

店主の木寅伸一さんは、「お店を再開しても、食品のお土産に関しては、業者さんもまだ怖くて製造や仕入れができないと思う」と状況を説明。「普段は近隣府県のお客さんも多いけど、まだまだ越境できないから、店を開けても赤字。1年間は赤字でもかまへんから、がんばって開ける。なんとか生きていかないといかんから。自分の所だけが大変なわけでなく、世の中が大変。まずは地元が立ち上がらないと」と胸の内を語った。

東大寺門前は、奈良漬専門店以外のお店が軒並み4月の中旬から休業。休業中の『仁王堂』は、6月1日に東大寺が拝観を再開しても、当分お店を開けるかどうか分からないという。

店主の芳川保雄さんは、「お客さんがあらへんからね。開けていたら赤字やし。ゆとりが出てからでないと観光に来てくれませんやん? 従業員がいるお店はほんまに大変やと思います。維持していくのは絶対無理やから、気の毒だと思います」と業界の状況を語る。

そして、「この状況が1年になるのか2年になるのか先が見えないから、そりゃ不安ですよね。ほんまは来てもらいたいけど、半分怖いしね。除菌はできても(店内が狭く)2メートル離れられないから」と苦笑する。芳川さんは、東大寺が拝観を停止したのも、修学旅行時期にこんなに門前が閑散としたのも50年近く生きて初めての経験だという。そんな状況にも関わらず、最後に「(お土産物店は)今すぐには必要とされないから難しいところですが、また来てください。心からお待ちしております」と笑った。

(Lmaga.jp)

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