大阪万博以前の街の風景やビル建設、貴重な記録映像で鑑賞

大阪・中之島のギャラリー「アートエリアB1」(大阪市北区)でおこなわれている展覧会『ビルダーズ:工事記録にみる都市再考』。同展は、大阪の都市形成を企業などが所蔵する映像資料から振りかえるユニークな企画だ。

展示のメインは4本の映像資料。大阪市が市営交通の普及と観光宣伝を目的に制作した「大大阪観光」(1937年、29分)では、当時の市内各所や観光名所の繁栄ぶりがうかがえる。

京阪電鉄が天満橋から淀屋橋まで延伸する工事を記録した「鉄路と汗」(1963年、49分)では、工事の様子や関係者の苦労とともに、大阪万博(1970年)以前の街の風景、当時の電車や駅、今と変わらぬ朝のラッシュアワーなどが見て取れる。

残る「大阪瓦斯ビルディング建設の記録」(1933年、40分)と「新朝日ビル誕生」(1958年、30分)は、当時のビル建設を記録した貴重な資料である。

これらのほかに、現在の中之島をとらえた映像や写真家・野口里佳のポスターが見られ、さまざまな専門家によるトークとワークショップもおこなわれる。トークは2月14日・21日・28日・29日、ワークショップは3月1日に開催。

映像展は、鑑賞するのに時間がかかることを理由に敬遠する人もいるが、本展の作品は4つのスクリーンで同時上映され、どの作品も待たずに見られる。もちろん途中退出も自由。建築や鉄道ファン、都市計画や郷土史に興味がある人におすすめだ。会期は3月22日まで、入場無料。

文/小吹隆文(美術ライター)

(Lmaga.jp)

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