世界遺産の高野山に奉納する千住博の襖絵、神戸の美術館でお披露目

巨大な瀧の絵で知られる日本画家、千住博(1958~)の大規模な個展が、「神戸ゆかりの美術館」と「神戸ファッション美術館」(ともに神戸市東灘区)の2会場で、11月4日まで合同開催中だ。

作品が放つスケールの大きさはもちろん、1995年に第46回ヴェネツィア・ビエンナーレ(イタリア)で東洋人として初の名誉賞を受賞するなど、ワールドワイドな活動で従来の日本画家のイメージを更新し続けてきた千住。

今回の目玉作品は、2020年に世界遺産である高野山金剛峯寺に奉納される新作襖絵『断崖図』と『瀧図』だ。高野山開創1200年を迎えた2015年から3年をかけて制作された襖絵は、『断崖図』が総延長約17メートル、『瀧図』が同約25メートルという巨大さ。

これらは、1863年(文久3)に再建された大主殿の茶の間と囲炉裏の間に設置されるが、同じ建物には狩野探幽、山本探斉などの襖絵があり、千住の作品は日本美術史上の巨匠たちと肩を並べることになる。本人が「画業40余年の集大成」と語るのも納得の一大事業である。

本展ではほかにも、初期から現在までの主要作品約30点と、ブラックライトの光によって表情を変える『龍神 I・II』などの代表作が見られる。彼の大作はとにかく巨大で、作品の前に立つと全身が絵の中に没入してしまったかのような感覚が得られる。それは「鑑賞」というよりも「体験」であり、他の日本画とは違う彼独自の絵画世界と言えるだろう。料金は一般1300円。

(Lmaga.jp)

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