滋賀・守山の図書館 隈研吾設計で活性化し来館者が倍増

建築家・隈研吾氏の設計によるリニューアルを機に、滋賀県の「守山市立図書館」の来館者数が倍増。地域活性化の一翼を担いつつある施設として、地元住民だけでなく、他地域からも注目を集めている。

1978年に、滋賀県内の戦後最初の公立図書館として注目を集めた同施設。近年は守山市がベッドタウンとして人口が増加するとともに、市民ニーズも多様化。そのため、閲覧スペースの不足のほか、施設の老朽化などの課題が発生していたことから、約10年前から計画が練られてきた。

2015年の公募型プロポーザルにより選出された「隈研吾建築都市設計事務所」とともに数々のワークショップをおこない、市民の意見を取り入れることで、2018年11月1日のリニューアルが実現。新図書館は「本の森」をイメージして設計されており、壁や床にも多くの県内杉を使用し、採光も多く、自然を感じることができる明るく開放的な空間となった。

利用者に感想を訊ねると、「もともと利用していたが、広くなってどこから見ればいいのか分からないほど。それがうれしい」「外側も内側も芸術性が高く、近代的な図書館に変わり、市民として誇らしい」「入り口付近のくらしのコーナーは、読みたくなる本がパッと目につくから良い。ぶらっと来ただけでも新しい発見があって楽しいですね」と、喜びの声ばかりだった。

その結果、旧館時代は月平均約2万人の来館者数だったが、11月だけでその3倍となる約6万人が来館。以降も月平均で約4万4500人を記録。また、隈研吾氏の設計ということもあり、建築を学ぶ学生や自治体関係の視察も多いという。

館内は、従来の図書館機能を担う「本の森」と、文化・芸術・市民活動の場となる多目的室や活動室のある「つながる森」、そして、市民の交流や憩い、起業就労を支援するための交流スペースとギャラリーを備えた「木もれび広場」で構成。

また、「木もれび広場」にあるブックカフェ「CafeGankodo」は市内の書店「本のがんこ堂」が初めてプロデュース。ケーキやドリンクなど、地元商店によるものを販売するほか、時には地元農産物をアピールするため、キャベツを購入者にプレゼントにするなどさまざまな取り組みをおこなっているのも注目だ。オーガニックの豆を使ったコーヒー(350円)などドリンクは、蓋付きカップでオーダーすれば図書館内への持ち込み可。図書館の開館時間は10時から19時(土曜は20時まで)、それ以外のエリアは9時から21時となる。

取材・写真/中河桃子

(Lmaga.jp)

関連ニュース

編集者のオススメ記事

関西最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(芸能)

    話題の写真ランキング

    デイリーおすすめアイテム

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス