芦屋市と有名シェフによる、評判の「コラボ給食」を食べてみた

学校給食を教育の一環としてとらえる芦屋市では、心豊かに生きるヒントを学べるとして給食に力を入れている。なかでも昨年からスタートし、子どもたちはもちろん、保護者にも好評の「コラボ給食」を、実際に味わってみた。

「コラボ給食」とは、芦屋市内の有名シェフと小学校が一緒に献立を考える特別メニューのこと。今回は、ドイツのハムや惣菜が楽しめる「メツゲライクスダ」のオーナー・楠田裕彦シェフが岩園小学校の児童のために考案にしたスペシャルな給食をいただいた。

トロリとしたグリーンのポテトサラダと、カラフルなパプリカが入ったミートローフ。これをドイツでよく食べられているむっちりしたパン・ミニラウゲンロールに挟んで食べる。添えられたレンズ豆のサラダとスープは、しっかり燻製されたベーコンの旨みがじんわりと胃に染みる。

この「コラボ給食」は、芦屋市の給食方式があってこそ実現できたもの。各学校の専属栄養教諭に食材の仕入れから献立作りまでが任される「自校式」で、学校ごとに自由度が高いため、シェフと一緒に考える「コラボ給食」に対応できるというわけだ。当日は、いつもより品数が多かったり、使い慣れない食材や調理法に給食室は大忙し。それでも、岩園小学校の栄養教諭・小野奈美さんは「子どものときに、新しい料理や食材に触れて欲しいと思うから、忙しくてもやってあげたい」と話す。

そのきっかけは、栄養バランスを考えた給食をよりおいしく、季節を感じて楽しく食べられるようにと、積極的な取り組みをするなかで、栄養教諭と芦屋市内のシェフとの交流が生まれたことだという。

芦屋市の給食に、ミシュラン店のシェフたちが協力

芦屋市内の公立小学校8校それぞれの「コラボ給食」に協力するのは、フランス料理「メゾン・ド・タカ芦屋」の高山英紀シェフ、京料理「たか木」の高木一雄シェフ、「パティスリーエトネ」の多田征二シェフら、市内で活躍するシェフ8名。ミシュラン星獲得店や予約が取れない人気店も顔をそろえる。さまざまなシェフの給食が食べられるように、担当する学校は毎年調整し、6年生にはシェフによるも実施される。

楠田シェフが「味覚の授業」をおこなった6年生と一緒に給食を食べるため教室を訪れると、じゃんけんで勝った班が大喜びでテーブルを用意し、シェフとの会話を楽しんだ。教室のあちこちから「おいしい!」と声がして、ほどなくおかわり希望者のじゃんけんがはじまり、すべての鍋がからっぽに。子どもたちに感想を聞くと「レンズ豆のサラダは初めて食べたけど、おいしかった」「グリーンのポテトサラダにびっくりしたけど、食べてみたらめちゃうまかった」「パンに挟んで食べるのがおもしろかった」と喜んで話してくれた。

シェフ考案の献立は、給食として提供するにはさまざまな検討が必要になる。シェフとともに、実現に向けて試作を重ねるうちに、新しい調理技術を得て今後に活かせることも。「コラボ給食」は、子どもたちが新しい料理と出合い、今まで味わったことのない特別な体験ができるメニューであり、おいしい給食を作るさらなる一歩になっていると感じた。

取材・文・写真/太田浩子

(Lmaga.jp)

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