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神戸ゆかりの作家・陳舜臣の直筆原稿を発見、50年前の神戸が舞台

椅子に座ってじっくりと、陳舜臣の直筆原稿の複製が読める
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今年発見された神戸ゆかりの作家・故 陳舜臣(ちんしゅんしん)の直筆原稿を、当時の写真や資料とともに展示する企画展『直筆原稿で探る 陳舜臣の神戸』が、「神戸文学館」(神戸市灘区)でおこなわれている。

陳舜臣は、1961年(37歳)のデビュー作『枯草の根』で「江戸川乱歩賞」を受賞し、中国歴史小説やミステリー、エッセイなど多くの作品を残した作家。神戸生まれ・神戸育ちとして知られ、神戸の街が舞台となっている作品も多い。今のようにメールで原稿を送る時代ではなかったため、出版社に送られたままになっていた原稿が今年見つかり、返却されたのを受けて展示されることになった。

見つかった原稿は初期の作品を中心に20作品で、そのうち神戸が描写される部分を中心に生原稿と資料がならぶ。たとえば、1969年の作品『フラワーロード・サンバ』では、「神戸まつり」の前身である「神戸カーニバル」について書かれた原稿と当時の写真が展示され、作品が書かれた時代の神戸の風景をイメージしながら、最後まで推敲した形跡が残る原稿を見ることができる。

おもしろいのは、陳舜臣が好んで使った「満寿屋」(東京都台東区)の原稿用紙の裏にカラーコピーされた直筆原稿が1作品分、置かれていること。なめらかな原稿用紙を1枚1枚めくりながら、最初に読んだであろう編集者になった気分が味わえ、書籍の活字を読むのとはまた違う新鮮な感覚を体験できる。作品は入れ替えられるが、訪れたときには1972年に『小説現代』に掲載された短編ミステリー『もう一人の』(舞台は神戸市中央区北野町)が置かれていた。展示は12月24日まで。入場無料。

取材・文・写真/太田浩子


(エルマガジン)

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