「私、女ですけど、何か?」と言わんばかり、新世代の舞台

パフォーマンス・アートの祭典『KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭2018』が、京都市内で10月28日まで開催。作家・演出家の市原佐都子が主宰する東京の演劇ユニット「Q」が、代表作『毛美子不毛話(けみこふもうわ)』を関西初上演する。

2017年に「演劇界の芥川賞」と言われる「第61回岸田國士戯曲賞」にノミネートされた本作。「女性」を全面に押し出した世界観に男性審査員たちが唸り、その年の受賞作『来てけつかるべき新世界』(上田誠/ヨーロッパ企画)とのW受賞が検討されたほど、高評価を受けた。

芸術祭の記者会見では「自分にとってリアリティがある問題を描こうとする際、女性である私の視点で語るから、女性中心的な作品になるのは当たり前」とキッパリ言い切った市原。さまざまなジャンルでジェンダーレス化がうたわれる昨今に、あえて「私、女ですけど、何か?」と言わんばかりの世界を叩きつける。それを時代の逆行と取るか、逆に新世代のフェミニズム表現ととらえるか? ぜひその目で判断しておきたい。

本作は、OLの毛美子が、本革のパンプスを求めて路地裏をさまようなか、奇妙な人々と次々に遭遇する・・・という、デヴィッド・リンチの悪夢の迷宮を思わせるような2人芝居。女性の抑圧された欲望や男性支配との軋轢などのフェミニズム的な題材を、下世話なユーモアと映像を絡めた演出で、不愉快と痛快のギリギリのラインで描ききった作品だ。

Qは、『毛美子~』のほかに、障害者施設での事件にインスパイアされた『妖精の問題』も交互に上演。公演は10月25日から28日まで、「京都芸術センター講堂」(京都市中京区)にて。チケットは前売2500円、当日3000円ほか。上演スケジュールは公式サイトにて。

文/吉永美和子

(Lmaga.jp)

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