滋賀・近江八幡市の旧市街で、日本家屋×現代アート

江戸時代以来の町割りを有し、築100年以上の日本家屋が沢山残っている滋賀県近江八幡市の旧市街。ここを舞台に2年ごとにおこなわれているアートイベント『BIWAKOビエンナーレ2018 きざし「BEYOND」』が、11月11日までおこなわれています。

今年は12の会場で75組を超える国内外のアーティストが展示。会場の多くは日本建築の邸宅で、作品は、絵画、彫刻、陶芸、写真、映像、インスタレーション、音楽などさまざま。サイトスペシフィック(場の特性に沿った)な展示が工夫されており、ここでしか味わえないアート体験が魅力です。

スタートは、総合案内所を兼ねる「尾賀商店」が良いでしょう。ここを起点に町なかを行ったり来たりするのです。一度に多数の作品が見られるのは以下の4カ所。「まちや倶楽部」では、榎忠が約7トンの薬きょうを用いたインスタレーションを展開し、アントニオ・レアーノ+大野宏+永井拓生が約1万5000本の葦を使ってドーム状の小屋を築くなど、25組が作品を発表しています。「カネ吉別邸」では、田中悠の陶オブジェやライアン・ヴィラマエルの大規模インスタレーションなど15組、「喜多七右衛門邸」では江頭誠の極彩色のインスタレーションなど8組、「寺本邸」では、ロバート・ハイスと南野馨の大作をはじめとする13組が見られます。

ほかの会場は1組から数組の展示となりますが、「尾賀商店」の河合晋平や「旧中村邸」の伍嘉浩など見応えのある作品が多く、決して侮れません。また、会場周辺には日牟禮八幡宮、建築家・ヴォーリズの洋風建築、地元ならではのメニューを提供する飲食店といった観光スポットが多数あり、ビエンナーレ以外の楽しみにも事欠きません。秋の行楽は『BIWAKOビエンナーレ』で決まりでしょう。期間中に1会場につき1回、作品を鑑賞できるパスポートは一般2200円、単館料金は500円から。

取材・文・写真/小吹隆文(美術ライター)

(Lmaga.jp)

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