兵庫・伊丹市立美術館でディック・ブルーナ展、デザインの業績に注目

「ミッフィー」(うさこちゃん)シリーズで知られるオランダ人絵本作家、ディック・ブルーナ。昨年2月に惜しまれつつ亡くなった彼の展覧会『シンプルの正体 ディック・ブルーナのデザイン展』が、「伊丹市立美術館」(兵庫県伊丹市)で7月29日までおこなわれています。

本展は「ミッフィー」をメインにするのではなく、ブルーナのもうひとつの仕事、グラフィックデザイナーとしての業績に着目しています。そして彼が理想とした「シンプル」が、どのように実現されているのかを明らかにしています。

展示総数は約500点。200冊を超えるペーパーバック(安価な紙を用い、表紙に革や厚紙を用いない書籍)、約40点のデザイン原画やスケッチ、ミッフィーやボリスなどの絵本原画約30点、ほかにはポスターの複製や映像などもあります。そこに「大胆な省略」、「リズミカルな反復」、「空間を作る線」、「知らせる色」などのキーワードと説明文を添えることにより、余分なものを極力削ぎ落しつつ独自のユーモアや感情を織り込むという、ブルーナ流「シンプル」の正体が明らかにされるのです。

また、展覧会の末尾には「シンプルの明日」と題したコーナーがあり、日本のデザイナー4組(KIGI、groovisions、中村至男、ミントデザイン)による、ブルーナ作品からインスピレーションを得た新作が見られます。さらに「伊丹市立美術館」のコレクション展も同時開催されており、ブルーナに影響を与えたマティスとレジェ、明快な色、線、形の表現を得意とする浅野竹二、渡辺豊重、マン・レイの作品を見ることも。ディック・ブルーナのファンはもちろん、グラフィックデザインが好きな人にもおすすめできる展覧会です。

取材・文・写真/小吹隆文(美術ライター)

(Lmaga.jp)

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