尼崎で、情報化社会と人がテーマの美術展

アーティストの植松琢麿と林勇気、デザイナーでプロデューサーの後藤哲也、キュレーターの小林公が継続的に展開している企画展が、2月21日から「あまらぶアートラボ A-Lab」(兵庫県尼崎市)でおこなわれます。

このプロジェクト『あなたが ほしい i want you [to x] 』は2013年に始まり、これまでにドイツのデュッセルドルフ(2013年、2015年)、日本の大阪市、吹田市(ともに2014年)で開催されてきました。2016年にはこれまでの活動をまとめたカタログも刊行しています。そして5回目となる今回は、ゲストアーティストにシンガーソングライターの青葉市子(舞台出演、声優、ナレーション、イラストでも活躍)を迎え、また新たな展開の第一歩を踏み出すことになります。

展覧会は、植松と林、そしてゲストアーティストの作品を軸に展開します。小林は展覧会の背骨と言うべきコンセプトで智恵を絞り、展覧会のビジュアルデザインを後藤が担当するという役割分担です。植松の作品は、現代の情報化社会のなかで生命体のように広がり形成されていくネットワークを可視化したもので、一見すると無縁と思われるモノ同士を組み合わせて新たな関係性や意味を構築しています。一方林の作品は、自身が撮影した画像やインターネットから抽出した膨大な画像をコンピューターに取り込み、切り抜き重ねるなどしてアニメーションや映像作品を作り出します。どちらの仕事にも共通するのは、情報化社会の進展により変容する人間の意識をテーマにしていることでしょう。

そこに青葉市子という異分子が投入されることにより、どのような化学変化が生じるのか。それが今回最大の見どころです。また、美術館やギャラリーのようなホワイトキューブ空間ではなく、元公民館をリユースした会場で、各作家がどのような展示を見せるのかも注目です。

文/小吹隆文(美術ライター)

(Lmaga.jp)

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