本物!? 奈良に究極リアルなアート

「奈良県立美術館」(奈良県奈良市)で11月23日から始まる展覧会『ニッポンの写実 そっくりの魔力』では、明治以降の写実的絵画、超絶技巧の工芸や彫刻作品、写真を活用したスーパーリアリズム絵画、デジタル技術を駆使した高精細な映像作品など、約80点の「本物そっくり!」な作品が披露されます。

たとえば絵画では、明治時代に活躍した高橋由一や横山松三郎から、大正期の岸田劉生、現代の野田弘志、礒江毅、諏訪敦まで、脈々と続いてきた写実の系譜を知ることができます。また、上田薫や三尾公三の作品を見ると、写真と絵画の関係に注目せざるを得ません。

一方彫刻では、近代彫刻の元祖・高村光雲、石川光明や、現代の須田悦弘、前原冬樹などがラインアップされています。工芸では、象牙彫刻の安藤緑山、根付の森田藻己、自在置物(体節・関節を本物と同じように動かせる金工の動物模型)の現代作家・満田晴穂などが登場。また、現代のテクノロジーを駆使して今日の「リアル」を追求する佐藤雅晴、伊藤隆介の作品も見逃せません。

本展を見れば、明治以降の日本人がどのように「写実」を追求してきたかが分かります。また、時代ごとの「リアル」に対する認識の違いも浮き彫りになるでしょう。美術通も初心者も関係なし。老若男女を問わず楽しめる、驚きに満ちた展覧会です。

文/小吹隆文(美術ライター)

(Lmaga.jp)

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