芸術の秋、大トリ飾るボストンの名品

「芸術の秋」もいよいよ大詰め。今年も話題の展覧会がたくさん開催されましたが、その大トリを飾ると言っても過言ではない展覧会が、「神戸市立博物館」(神戸市中央区)で10月28日から始まる『ボストン美術館の至宝展 ー東西の名品、珠玉のコレクション』です。

「ボストン美術館」はアメリカ東部のマサチューセッツ州ボストン市にあります。開館したのは1876年。以来、国や州の財政援助を受けず、慈善家の寄付や収集家からの寄贈を基に自主運営しています。開館時に約5000点だったコレクションは、現在では約50万点に拡充。世界屈指の美術館として高い名声を誇ります。本展では、同美術館のコレクションを総合的に紹介します。同館のコレクション展は日本で過去に何度もおこなわれていますが、古今東西の名品をまとめて紹介するのは約40年ぶりです。古代エジプト美術、中国美術、日本美術、フランス絵画、アメリカ絵画、版画・写真、現代美術の全7章で、作品数は80点に上ります。

珠玉の名品が集う本展ですが、あえて見どころを挙げるとすれば以下の4つ。まず、古代エジプトのツタンカーメン頭部像から現代美術の村上隆まで、幅広い地域、年代の作品が見られます。次に、モネ、セザンヌ、ドガなどボストン美術館が誇るフランス近代絵画の名品が集うなか、ゴッホが描いたルーラン夫妻の肖像画2点が同時に展示されます。3つ目は、江戸時代の画家、英一蝶が描いた巨大涅槃図が、約170年ぶりの修復を受けて初の里帰りを果たします。最後の4つ目は、世界屈指のコレクションを築いたコレクターたちの活躍についてです。

本展は、まさに「ボストン美術館」のエッセンスを凝縮した展覧会と言えるでしょう。これだけの展覧会はなかなか見られません。これで「芸術の秋」を締めくくってください。料金は一般1500円。

文/小吹隆文(美術ライター)

(Lmaga.jp)

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