伝説のサントライベント、京都で25年ぶりに復活

1992年に日本初の「サウンドトラック」をかけるイベントとして誕生し、さまざまなカルチャーを生み出した初期の「京都メトロ」(京都市左京区)の伝説的イベント『soundtracks a go go』が、10月1日に25年ぶりに復活する。

1992年7月にDJパーティとして初めて開催されたこのイベント。現在、FPM(Fantastic Plastic Machine)として活躍する田中知之と松山禎弘(Romanza)で結成されたDJユニット・SOUND:IMPOSSIBLEによる、映画のサウンドトラック縛りのDJパーティーだったが、当時、2人は世界でもまだまだ手つかずであった「映画音楽」にいち早く着目。京都のレコード屋に潜んでいたレアな音源を集めまくっていたこともあって、その貴重な音楽との出合いを求めてイベントには多くのサウンドマニアが訪問。フロアはいつも熱気にあふれていた。

さらに、デザイナー集団・GROOVISIONSの伊藤弘、ミルクマン斎藤がおそらく日本クラブ史上初のコンピューターグラフィックスを用いたVJとして参加したことは、今もなお語り継がれている。「スイッチャーもなかったので、VHSデッキを3台繋げて手でテープを入れ替えながら、さまざまな映画のシーンをコラージュしたものを流してました(笑)。伊藤くんが京都工芸繊維大学の助手をしていて、ビデオアートを制作していたこともあって、コンピューターグラフィックを使った映像が作れたんです」とは、現在、映画評論家として活躍するミルクマン斉藤。

当時ではかなり珍しいスタイルで、それを見た小西康陽が興味を持ち、所属していたピチカート・ファイヴのステージビジュアルを伊藤とミルクマン斉藤に依頼。それを機にGROOVISIONSは結成されたという。

その後、このメンバーが中心となり「京都メトロ」の毎週木曜日のレギュラーパーティを担当。FPMの田中知之は「今とは違って、ネットで簡単に音源に出合える時代ではなく、ジャケ買いしたり、レコード屋で試聴するのがすべてでした。なので、クラブは新しい音楽を知ることができる場だったし、僕たちも集めたレコードを毎週披露できてすごく楽しかったですね。お客さんとか収益とか、もはや関係なかった(笑)」と、当時を振り返る。サントラのみならず、ソウルやラテン、ジャズ、ハウスなどを縦横無尽にプレイするDJスタイルは、世界的な「ラウンジ」ムーブメントの源流となった。

そんなイベントが、今秋25年の時を経て『Reunion ! ~SOUND : IMPOSSIBLE with GROOVISIONS~』と題し、復活を遂げることに。当時パーティに参加し、影響を受けてきたHALFBYら次世代アーティストもサポートDJとして集結。

「FPMの10周年でゲストとして伊藤くんに出てもらったり、ほかにもこのメンバーとの共演はあったけど、『soundtracks a go go』としてまたやるのは本当に久しぶりなので、感慨深いですね」(田中)。VJの存在が当たり前で、音楽との出合いも簡単になった今だからこそ、すさまじいほどの熱意がこめられていた伝説のパーティを体験したい。料金は2000円(当日は2500円)、チケットは各プレイガイドで発売中。

(Lmaga.jp)

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