20周年のエリカ・バドゥ 大阪でライブ

トレンドの移り変わりが激しく世代交代のペースも早いR&Bシーンにおいて、デビューから20年にわたって孤高の存在であり続けているエリカ・バドゥ。今もカリスマ的な存在感とオーラを放ち続ける彼女が「ビルボードライブ大阪」(大阪市北区)にて、10月9日と10日に貴重なクラブ・ギグをおこなう。

クールな歌声とジャジーな音作りによって、ネオ・ソウル時代の到来を告げた傑作『バドゥイズム』で1997年デビューを飾って以降、ロックな熱量に満ちた『ママズ・ガン』(2000年)、アフロピアンのザップ・ママらとも共振して新次元を示した『ワールドワイド・アンダーグラウンド』(2003年)、自身のレーベルを設立してよりハイブリッドな境地を示した2007年と2010年のニュー・アメリカ・シリーズの2作に、電話をテーマにした楽曲のみで構成されたユーモラスなミックステープ仕様の『But You Caint Use My Phone』(2015年、配信のみ)まで。常に時代の一歩先を行く方向性を示し、スタイリッシュさと革新性を同居させたプロダクションで魅了し続けてきた彼女は、ヒップホップ/R&Bはもちろんのこと、ジャズやオルタナティヴ・ロック寄りの聴き手からも幅広い支持とリスペクトを集めてきた。

また近年は、新世代ジャズ隆盛の発火点ともなったロバート・グラスパー・エクスペリメント『ブラック・レイディオ』を筆頭に、フライング・ロータス、ロケット・ジュース&ザ・ムーン、タイラー・ザ・クリエイター、ジャネル・モネイなどの作品でも客演。近年の重要作には常にエリカの歌声があると思わせるような影響力の高さで、世代やジャンルを超えて唯一無二な存在感をしっかりと示してきた。

そんな彼女が、改めて再評価の気運も高まる『バドゥイズム』の発表から20年というタイミングでおこなう今回の公演は、新旧の名曲を織り交ぜたスペシャルな内容となるのは間違いなし。現在の彼女のバックを支えるフルバンドを率い、1日1公演のみに絞ってのクオリティを重視した妥協のないステージングで「ネオ・ソウル界のミューズ」の凄みを至近距離で堪能する至福の音楽体験。この二度とないであろう奇跡のような機会を、ぜひともお見逃しなく!

文/吉本秀純

(Lmaga.jp)

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