兵庫・西宮の狩野派を再評価する展覧会

兵庫県・西宮市出身で、摂津を中心に活躍した勝部如春齋(1721~1784)の画業 を、美術館で初めて紹介する展覧会『西宮の狩野派 勝部如春斎』が、4月1日より「西宮市大谷記念美術館」(兵庫県西宮市)でおこなわれます。

如春斎は西宮の裕福な醸造家に生まれ、大坂で狩野派の絵を学びました。30代後半に妻や子供を相次いで失い、亡妻の追善のために京・東福寺にある明兆の「三十三観音図」を模写したことが知られています。1764年(明和元)に時の左大臣・九条尚実に「如春斎」の号を賜り、以後「台賜如春斎」の落款を入れるようになりました。

彼の作品は狩野派の手法にのっとった手堅いもので、時に豪華であっても繊細で可憐、上質な雰囲気をたたえています。個性派ではありませんが、大変な人気絵師でした。その画業を振り返る本展では、代表作約50点を一堂に展示します。また、弟子と言われる森祖仙(猿画で知られる)や、大岡春卜、吉村周山など同時代の絵師も紹介し、18世紀における摂津の豊かな文化を振り返ります。

文/小吹隆文(美術ライター)

(Lmaga.jp)

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