大阪・吹田で、EXPO'70パビリオン建築展

1970年開催の大阪万博(日本万国博覧会)時に建てられたパビリオン建築をテーマにした展覧会『The Legacy of EXPO'70 建築の記憶-大阪万博の建築』が、万博記念公園内の「EXPO'70パビリオン」(旧・鉄鋼館/大阪府吹田市)で開催中。7月4日までおこなわれています。

本展の主な展示物は、パビリオンの模型、設計図(複製)、記録写真、映像など。また、万博のシンボルタワーだった「エキスポタワー」(2003年に解体・撤去)の復元模型と撤去の様子を記録した写真225枚、本展を前に東京で行われたシンポジウムの模様も紹介されています。

監修者の橋爪紳也さん(大阪府立大学教授)によると、「アメリカ館や富士グループ・パビリオンで用いられたエアドームの技術は、現在の東京ドームに受け継がれています。英国館の吊り構造は、吊り橋の技術を建物に応用したもの。そして当時、黒川紀章ら若手建築家が『メタボリズム』という建築運動をおこなっていましたが、大阪万博のパビリオンにもメタボリズム建築があり、それを見た企業の社長がカプセルホテルを発案しました」。本展を企画した関西環境開発センターの髙満津子さんは「スター建築家以外にも光を当てようと思いました。記録写真を見ていただければ、当時現場で工事に携わっていた人々の様子がわかります」と語る。

改めて見直すとレトロフューチャーで、往年のSF映画のセットみたいな大阪万博のパビリオン建築。でもそれらが今も魅力を失わないのは、当時の人々が抱いていた未来への期待や憧れが、ぎゅっと詰まっているからでしょう。本展が一番伝えたいのは、未来を信じて生きることの素晴らしさ、大切さなのかもしれません。

取材・文・写真/小吹隆文(美術ライター)

(Lmaga.jp)

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