中川大志&飯豊まりえで実写映画化「きょうのキラ君」

みきもと凜の人気少女コミックを実写映画化した『きょうのキラ君』。容姿端麗、学校中の女子が憧れる吉良ゆいじ(キラ)役には、大河ドラマ『真田丸』での好演(豊臣秀頼役)が話題となった中川大志。そして、他人と関わることが苦手なヒロイン・岡村ニノン(ニノ)役には、モデルとしても活躍する飯豊まりえ。中川、飯豊の2人に話を訊いた。

写真/渡邉一生

「振れ幅が広すぎて、とにかく難しくて」(中川大志)

──大河ドラマ『真田丸』をはじめ、大ヒットドラマ『家政婦のミタ』(長男・翔役)、映画『ちびまる子ちゃん イタリアから来た少年』(アンドレア役)では声優にも挑戦と、若くして着々とキャリアを重ねている中川さんですが、少女コミック原作の実写映画は初めてなんですね。

中川「そうなんです。よく意外だって言われるんですけど、少女コミックでは初めてですね。コミックの実写化はあるんですけど」

──一方、飯豊さんは、2016年公開の映画『MARS~ただ、君を愛してる~』で少女コミック原作の映画でヒロインをつとめています(麻生キラ役)。今回はラブコメディでしたが、現場はどんな雰囲気でしたか?

飯豊「今回は、キャストのみんなともともと知り合いだったから、すごくやりやすかったです。全体的に同世代でしたし、お芝居ものびのび、やりやすく」

中川「今回の映画は、ラブコメディの要素もあれば、お互いに感情をぶつけ合うシリアスなシーンもあって。キュンキュンできる王道のキラキラシーンと、感情的にずしりと重たいシーン、そのどっちも成立させないといけなくて。僕はそのギャップというか、気持ちが追いつかなかったりしました」

──物語の展開も早く、感情の切り替えも難しかったと思うんですが。

中川「現場に入る前から、キラの状況を自分に置き換えて、気持ちをしっかりと作っていったんですけど、そうなると今度はなかなかテンションが上がらなくて。正直、そういう意味で撮影は難しかったけど、とにかく楽しいシーンは無理やりにでも2人で思いっきり楽しもうと挑みましたね」

飯豊「そうだったよね」

──今回、2人のクラスメイト・矢部役に葉山奨之さん、キラの幼なじみ・澪役に平 祐奈さんがキャスティングされています。同世代からなのか、スクリーンを通してもチームワークの良さがすごく伝わってきました。

飯豊「みんな、それぞれどこかで共演していますからね」

中川「うん、それもあったと思います」

飯豊「最初、初めての現場に入ったときって、探り探りじゃないですか。そういうこともなく。ただ役に集中すれば良かったというか。そこはすごくやりやすい環境でしたね」

中川「逆に、年が近いからこそ、負けられねぇという想いもありましたね。みんな出さないですけど、たぶんあったと思うし。見えないところでひしひしと持ちつつ、それも面白かったですね」

──仲の良いことが現場ではマイナスになることもありますが、今回はそれがいい方向に出たと。

飯豊「うん、いい方に出ました。4人が揃うと、アドリブが多かった気がします、うん。でも、カットされちゃいましたけど(笑)。結構、奨之君がアドリブを入れてきたりするんで」

──なんか、すごく楽しい撮影だったようですね。

飯豊「はい。楽しかった思い出だけが残ってますね」

中川「僕は楽しかった、じゃないですね」

飯豊「私はすぐ忘れちゃうんで、いいことしか覚えてない(笑)」

──現場でどんなことがあったんですか?

中川「いや、楽しかったですよ。ただ、それが楽しかったということなんですけど、とにかく役が難しかったんです。初めての経験でもありましたし、監督の撮り方も今までと違った面もあったし、(演じるキャラクターの)気持ちを作るのに必死でした」

──キラというのは、劇中ではわずか数年ほどしか描かれていませんが、実はものすごく振れ幅の広い、光と影を背負った役でしたね。

中川「そうなんです。どちらかに寄ったキャラクターだったら、とことん振り切れるので、そっちの方がやりやすいんですけど。ホントに人間臭い感情だったり、孤独感だったり、絶望だったり・・・そういう芝居もあれば、まさに王道の少女コミックならではのシーンもあったりして、そのへんの振れ幅が広すぎて、とにかく難しくて」

「大志君って、フリーWi-Fiみたい」(飯豊まりえ)

──そのあたり、飯豊さん演じるニノに助けられた部分も大きいんじゃないですか?

中川「あります。まりえちゃん自身も、そりゃ大変だっただろうし、辛いこともあっただろうけど、そういうのは一切現場では見せず、どんなときもいつも笑っていて、本当にニノのように現場にいてくれて。映画を撮ってた期間、ぶれずにニノでいてくれたので、すごく安心してお芝居できました」

飯豊「えぇ~、そんなことしましたっけ(笑)。私はどちらかというと、(中川が)悩んでるときはそっとしておこうって。もともと仲がいいので、あえて距離感を取っていた部分もあって。私はおしゃべりが好きなので、現場でも話したかったけど、今回は恋人役だったので、逆に距離を取ってましたね、ある意味。そういうところは確かに気にしてました」

──相手役が中川さんで助かった部分もありました?

飯豊「すっごい助けられました。デートのシーンなんて、台本はありますけど、基本は自由演技だったので、テンションの持っていき方とかすごく救われました。あと、私は長い説明セリフがあったんですけど、間違っても怒らないし(笑)」

中川「怒らないよ(笑)」

飯豊「やっぱり大志君がいるだけで、みんな和みますね。歩くWi-Fiみたいな。車に乗ってるときに思ったんです、『大志君って、フリーWi-Fiみたいだなぁ』て(笑)」

──Wi-Fi?

中川「なんか、Wi-Fiが通っているところって、うれしいじゃないですか。安心感があって。誰がWi-Fiや!」

飯豊「ハハハ(笑)。現場にいるみんなが好きですからね、中川大志君のこと」

中川「違う、違う、違う! 平和が好きなんです。現場がトゲトゲした雰囲気になるのがイヤなんで、僕はなるべく楽しくというか。今回は同世代ばかりだし、芝居以外のところでもみんなを引っ張っていきたいというか、盛り上げたいと思っていたんですけど・・・正直、全然余裕がなくて。だから、一生懸命お芝居をして、そこでみんなを引っ張っていくしかないなと思って。スタッフさんにも、まりえちゃんらにもすごく助けてもらいました」

──飯豊さんらはそれもちゃんと見てますよね。

飯豊「はい!お芝居、すごい良かったです。それで引っ張ってもらいました」

──今回、キラが教室のカーテンのなかにニノを引き入れてキスする「カーテンの刑」というシーンもありましたが、おふたりにとって印象に残っているシーンはなんですか?

飯豊「私は、キラ君に『すげえじゃん、お前』って言われるシーンですね。2人の恋が始まる前の、あの雰囲気が良かった。そこがキュンとする感じでした。ああいう初恋シチュエーションは憧れです」

中川「僕はすごく頭にも残ってるし、体でも覚えているのが、ニノに初めて想いを伝えた誕生日会の後のシーンです。あのシーンはすごく寒くて、過酷な状況だったんですけど、初めてキラが自分の弱さを他人に見せるシーンで。あそこから2人の物語が始まるので」

──あそこからキラが変わりますよね。

中川「自分にとっても大事な、印象に残っているシーンで。裸にもなったし、寒かったですね(笑)。ちょうど1年前の今頃で、めちゃくちゃ寒かったんですよ」

──個人的に印象的だったのが、予告編でもあった・・・。

飯豊「あっ、『チュー、していいっすか?』ですか?」

──あのシーンの、飯豊さんの中川さんへの寄り方がすごく可愛くて。

飯豊「あぁ。あそこのシーン、いいですよねぇ」

中川「そうそう。あの後、キラがいなくなって、3人が取り残されるシーンも好きなんですよ。自分が出てないんですけど、ニノが『逃げるなら今だよ』って言われて」

飯豊「あそこはホントにきつかった(苦笑)、天国に一番近い恋でしたね」

中川「僕はあのシーンが一番かもしれないですね」

──なるほど。今回、少女コミックが原作だけに、高校生や中学生の方が一番観客としては多いと思うんですが、大人が観てもなんかこう、キュンとなるような映画でした。おふたりがキラとニノを演じたのが、すごく大きかったと思います。

飯豊「わぁ、うれしい!それが一番うれしい!」

中川「うれしいよね。守りたくなる、応援したくなるような2人を演じられて。良かったです。ぜひ大人の方にも観てもらいたいです!」

(Lmaga.jp)

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