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石川遼初マッチプレー参戦!ISPSハンダマッチプレー選手権

 ガッチリと握手を交わす(写真左から)国際スポーツ振興協会会長・半田晴久氏と石川遼
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 半田晴久氏(67)が会長を務める国際スポーツ振興協会(ISPS)が主催する、男子ゴルフの国内ツアー「ISPSハンダマッチプレー選手権」の大会概要発表会見が行われた。国内最高賞金(賞金総額2億3000万円、優勝賞金5200万円)をかけて、昨年と並ぶ過去マッチプレー競技最多の104選手が出場し、昨年より12多い全118マッチが実施される。埼玉・鳩山カントリークラブで、1・2回戦を7月26、27日に開催。勝ち上がった24選手にシード8選手が加わり、3回戦~決勝を9月5日から9日まで行う。今季から国内ツアーに復帰し大会初参戦となる石川遼(26)=CASIO=は「全力で頑張ります」と初のマッチプレーのタイトル獲得へ意欲をみせた。

 日本ツアー唯一のマッチプレー競技が、今年はスケールアップして開催される。賞金総額2億3000万円、優勝賞金5200万円はともに国内最高額。それぞれ昨年より2000万円増えた。

 設定された賞金配分は、ツアー後半戦のシード争いに大きく影響を与える。独自の賞金ランキングによる出場資格を設け、マッチプレーにもかかわらず104人もの選手が参戦し、しのぎを削ることになる。

 ビッグトーナメントに、日本ゴルフツアー機構(JGTO)副会長の立場で会見に出席した石川は「半田会長、今年も開催していただき、ありがとうございます」と、まずは隣に座った主催者の半田会長に一礼。そして、あふれる思いを口にした。

 「ツアーの中でも最高の賞金額ということで選手一同、モチベーションが高い。それに加えて今年は賞金が増額され、選手一同、驚いているところ。今はストロークプレーが主流ですが、もともとのゴルフの始まりはマッチプレー。この方式はゴルフの素晴らしさ、楽しさをファンにアピールできる素晴らしい機会。100人を超える多くの選手がこの方式で戦って腕を磨いていきたい」

 石川は海外ではWGCなどマッチプレーでの試合経験豊富。だがツアー14勝の実力者も、この試合形式ではまだ勝ったことがない。「自分も全力で頑張りたい」と選手としても気合が入ったようだ。

 一昨年までの「ISPSハンダグローバルカップ」は、昨年、ゴルフの原点と言われるマッチプレー形式に変更され、名称も「ISPSハンダマッチプレー選手権」と変わった。国際的なレベルのプロゴルファー育成に向け、この試合形式だからこそ体験できる攻撃的なショットやパッティング、戦略や戦術のスキルアップなどを目的として、半田会長が英断を下した。

 それまでは「マッチプレーはいつ試合が終わるか分からないので、テレビ放映の枠にはまりにくい」という理由から敬遠され、昨年が2003年以来14年ぶりのツアーでのマッチプレー復活だった。

 半田会長は「JGTOはマッチプレーをやりたいのに、テレビの意向で枠にはまらない。じゃあ新しい枠組みで画期的なことをやりましょうと。普通のスポンサーは対費用効果を考えますが、ISPSは一般社団法人ですから対社会貢献を考える。テレビ、ギャラリーは関係ない。マッチプレーの魅力を知ってもらおう、日本の選手に強くなってもらおうということで復活したんです」と経緯を振り返った。

 昨年大会はギャラリーがツアーで3番目に少なかったという。半田会長は当時を思い出して「私はそのときに思いました。今年は史上最高の賞金額と、史上最低のギャラリー数を目指そうと」とニヤリと笑った。

 逆転の発想だ。片山晋呉とH・W・リューが戦った昨年の決勝戦では、ギャラリーが少ないことを逆手に取って、コースロープを外した。観客はプロのプレーを至近距離で目に焼き付け、最後はグリーンを取り囲んで勝負を堪能した。これもマッチプレーの決勝だからこそできる醍醐味(だいごみ)。今年はまだコースロープを外すかどうかは決まってないが、「マニアが喜ぶ、ゴルフ好きが納得できる」(半田会長)という個性的なトーナメントだ。

 ツアー活性化を目指す石川も、半田会長の言葉に刺激を受けた。「男子ツアーはいろいろ議論が必要ですが、ファン獲得の根本は『見に行ってよかった』と、お客さんの満足度を高めること。ローピングは安全のために必要なんですが、選手との距離を遠ざけているところもある。移動式ロープのような形で安全を確保したり、第2打が残り100ヤードぐらいなら、場所によってはグリーン周りにお客さんを入れてもいい。ボールがグリーンに落ちる音、カップに入る音が聞こえるようになると、お客さん1人あたりの満足度も高くなるのでは」。ゴルフの魅力を高めるためのアイデアに賛同した。

 今年は舞台を埼玉の鳩山CCに移す。3年前にグリーンを世界の主流でもあるバミューダ芝に変えた。コースセッティングアドバイザーの佐藤信人が「夏に硬いグリーンが味わえる。プロの技術で差がつく」と言うように、グリーンは高速となり、ショットもスピンがきっちりとかからなければ球は止まらない。

 実際にプレーしたという石川は「グリーンが難しく、ストロークプレーならどれくらいのスコアになるのか。全米オープンのように、止まりそうで止まらないということもあり得る」。

 そんな難コースこそ、プロの技術の見せどころだ。ホストプロの藤本佳則(28)=国際スポーツ振興協会=も「5月に肩を痛めて試合を休んでいますが、この試合に万全で臨めるよう頑張りたい」と力強く話した。

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