ケイバ熱盛ブログ「マーベラスサンデーからテーオーロイヤルへ-四半世紀の時を経て天皇賞・春制覇に挑む岡田師」(4月25日)

 こんにちは、大西です。またまた熱盛ブログに出てきました。と言うのも、今週末に僕が大好きなG1のひとつ、天皇賞・春が開催されるからです。序盤、中盤、終盤-。ジョッキー同士のさまざまな駆け引きが何度も繰り広げられる伝統の長距離戦。3分超にも渡って、競馬の醍醐味(だいごみ)が存分に味わえる-。このぜいたくな時間が、たまらないんですよね。

 注目の上がり馬がいます。4連勝でダイヤモンドSを制し、有力馬の一頭として臨むテーオーロイヤル(牡4歳、栗東・岡田)です。管理する岡田稲男調教師(61)=栗東=は、節目となる開業20年目に厩舎初のG1制覇へチャレンジします。

 指揮官には、忘れられない1頭の競走馬がいます。97年宝塚記念覇者のマーベラスサンデーです。大沢真厩舎の管理馬だった父サンデーサイレンスの同馬は、古川代津雄厩務員が担当し、当時厩舎の攻め専(主に調教を担当する助手)だった岡田師が調整を任されていました。

 デビュー当初から非凡な素質を示していましたが、度重なる故障もあってクラシックは棒に振ることに…。開花したのは4歳になってからでした。約1年1カ月ぶりの復帰戦となった明石特別は不利があって4着に敗れたものの、そこから怒濤(どとう)の快進撃が始まります。2連勝でオープン入りを果たし、続くエプソムCで重賞初Vを決めると、重賞4連勝で一気に一流馬への階段を駆け上がりました。

 数年前、幸運にも岡田師と主戦の武豊騎手から、マーベラスサンデーの話を聞く機会に恵まれたことがあります。学生時代に好きで応援していた馬だったので、忘れられない時間になりました。

 自在な脚質から扱いやすい馬をイメージしていましたが、乗りやすかったのはレースだけで、調教は難しい馬だったそうです。実戦でしっかり力が出せるように調整していたのが、仕上げ人の岡田助手。名手が「岡田さんのおかげですよ」と感謝していた姿が印象的でした。

 2人の間には多くを語らずとも分かり合える…そんな信頼関係を感じました。ともに若い頃に一緒に戦ってきた同志だからこそ、生まれた絆でしょう。そんな岡田助手を頼りにしていたのは、大沢元調教師も同じでした。「“マーベラスサンデーのことなら岡田に聞いて。アイツが全部分かっているから”って言ってくれてね。あれはうれしかったな」。自らを認めてくれた師匠の言葉は、今でも強く胸に刻まれています。

 同馬で臨んだ97年の天皇賞・春は、マヤノトップガン、サクラローレルの3強対決で3着に敗れました。岡田助手は02年に調教師免許を取得し、翌年開業。厩舎としては09年ヒカルカザブエ(7着)以来、2度目の挑戦です。助手からトレーナーへと自らの立場は変わりましたが、信頼できるスタッフ、成長を続ける弟子の菱田騎手らとともに、厩舎一丸となってチャレンジする姿に変わりはありません。

 4連勝で勢いに乗ってG1に駒を進めてきたテーオーロイヤルは、破竹の連勝劇でG1戦線に向かっていったマーベラスサンデーとどこか重なる部分を感じます。四半世紀の時を経て、ヒカルカザブエなど、これまでの数々の経験を力に変えて春盾のタイトルをつかむ-。そんな岡田師の姿を楽しみにしています。

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