ケイバ熱盛ブログ「去勢すると…」(6月8日)

 先週から札幌出張中です。緊急事態宣言により、閉めている店も多く、たとえ開いていても酒類の提供は禁止され、夜8時には閉店。例年のような関係者との会食も御法度。朝の取材が終われば、あとはホテルで軟禁状態です。夜9時に就寝し、翌朝5時から仕事に専念。昨年に続く、生涯2度目の“健全な出張”のおかげで、趣味が貯金になりそうな栗東・井上です。

 さて、函館スプリントS。去勢して2戦目となるビアンフェが気になりました。出迎えてくれたのは中竹師です。前走3着は、騸馬となった去勢初戦。去勢で思い出すのが『じゃりん子チエ』に出てくるアントニオ。小鉄のおかげで…って、昭和でスミマセン。

 話を戻しましょう。去勢は気性の難しい馬に対して行われるのが通常です。ビアンフェでいえば、必要以上に気持ちが高ぶってゲート入りを嫌がった昨年のスプリンターズSが思い出されます。自滅して能力を発揮できなかったことで、陣営は決断しました。「栗東では自分がまたがって、びっしりとゲートを練習して主従関係をたたき込んだ。去勢しないと、この短期間では改善しなかったと思う」。前走はゲート入りもスムーズだったように、効果は抜群のようです。

 去勢すると馬体重が減るのが一般的。決して、“取り除いた分”が軽くなったわけではないでしょうが、去勢した馬の初戦は大幅な馬体減でも驚かない。ビアンフェの前走も12キロ減でした。「それも目的の一つ」と中竹師。どういう意味でしょう?「硬くなった筋肉が、去勢によって柔らかくなるから体が減る。筋肉の質が変わるんです。ここからはいい筋肉が乗っかりますから。再構築ですね」。硬い無駄な筋肉がなくなり、柔らかい上質の筋肉が再生されるという。

 てっきり、ホルモンバランスが崩れて体重が減るんだと思っていましたが…。「だから、それを目的に、気性難ではない馬も去勢したりしますよ」。結構、長く記者をやっているつもりですが、まだまだ知らないことはありますね。勉強になりました。

 水曜にゲートの最終確認を行い、木曜に追い切られます。「枠入りがスムーズなら、レース前に無駄なエネルギーを使わず、流れに乗れる。開幕週の洋芝を狙って連れてきましたから」と指揮官は自信の表情でした。前走で足慣らしは完了。北の地で“新型ビアンフェ”が見られそうです。

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