ケイバ熱盛ブログ「別れの季節」(2月26日)

 毎年のことなのに慣れないものですね。2月末を迎えると、何とも言えないセンチな気分になります。栗東・井上です。

 某競馬専門紙に入社した95年から、ワタクシのトレセン取材が始まりました。その後の僚紙・馬サブロー在籍時を含めると、想定班を務めたのは、デイリーへ異動した05年までなので10年ほど。担当厩舎で定年を迎える調教師も多くいました。ただ、今年はこれまでとは少し違います。厩舎開業時から担当し、お世話になった二人の調教師が定年を迎えます。西橋豊治調教師と西浦勝一調教師です。

 西橋調教師は、ワタクシの栗東デビューよりも少し前の94年11月末に開業。騎手の初勝利に縁があり、難波騎手のサンラヒブニセイ、細江純子さんのレゾンテードル、押田純子さんのアワーデッドラブが西橋厩舎の管理馬でした。とくにレゾンデートルは細江さんが、自身の初勝利から馬のラストランまで11戦連続で手綱を取りました。「自分みたいなのが乗せてあげないと。若手は数を乗ってうまくなるんやから」という言葉が印象に残っています。不遇な若手騎手を率先して乗せる優しい先生でした。

 西浦調教師は97年3月に開業。ワタクシが担当していた布施正厩舎から馬とスタッフを引き継いだことから、担当させてもらいました。カツラギエースやヤエノムテキのファンだったので“世界のニシウラ”と親密になれると思うと大興奮。ジョッキー時代の思い出話もいっぱい聞かせてもらいました。「騎手の時から中山でいい結果が出せなくてね。ヤエノムテキで勝った皐月賞は東京だったから勝てたんじゃないかな。調教師になってからも中山は相性が悪い」と苦笑い。確かに厩舎のコース別成績は、中山が8勝と全10場でワーストでした(9位の東京で17勝です…)。

 今朝、お礼を伝えました。先生は思い残すことはないそうです。「ジョッキーを引退する時はケガも多くて、ちょうどいい時に調教師試験に合格したんだ。調教師もちょうどいい時に定年を迎える。引き際って大事だからね。人との出会いに恵まれたな、って思う。今まで馬のことしか考えなかったから、これからは違うことを考えてゆっくりと過ごそうと思う。馬券を買いに、競馬場へ行こうかな。大きなバッグを持って(笑)」。毎年、北海道シリーズの終了が楽しみでした。じゃがいもをひと箱頂き、家族は大喜びでした。ホント、優しい先生です。

 お二人とも、どうぞお体に気を付けてお過ごしください。自分も人の出会いに恵まれているなぁ…。そんなことを実感する2月末です。

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