トレセンのある美浦は「恐らく日本一リッチな村」です

 今まで主に、美浦トレセンでの出来事を当コラムでは書いてきたが、振り返ってみればこの「美浦」という場所について触れたことがない。本日は、どんなところかを紹介しましょう。

 トレセンの最寄り駅となるのは、上野からJR常磐線に乗車して約1時間の土浦駅か、そのひとつ手前の荒川沖駅。両駅のどちらからでも約20キロ離れた場所にある。そんなこともあり、いまだに交通の便が悪いことは否めない。

 周りの雰囲気も、ワタクシが初めて訪れた30年前よりはだいぶ栄えたとはいえ、トレセンの近くにはまだまだ畑や田んぼがたくさん。のどかな雰囲気が漂っている。当然のごとく、街路灯も所々ない道があり”夜のライトは上向き走行”なんて車はザラ。生まれも育ちも東京のワタクシは当初驚いたものだ。

 ちなみに美浦は、首都圏の茨城県のなかでもたった2つしかない”村”。「へ~、村なんだ」と競馬ファンの間でも案外知られてはおらず、栗東のように”市”だと思っている人は多い。

 10年くらい前だったか。実は隣の阿見町と合併し”市”になる話があり、議会の承認も得られたのだが、住民投票で美浦村側の反対により破棄された経緯がある。”霞南市”と新名称まで決まっていたのだが「バカヤロ~、そんな難しい漢字を書けるか!駄目だ!」なんて言っている調教師さんもいた。まあこれはジョークとしても、実際のところは税金の負担額がかなり変わる点が大きかったと聞いている。

 調べてみると、仮に町や市になる条件を満たしていても、行政の仕組み上、必ずしも昇格しなくてもよろしいようだ。そんなわけでいまだに”村”の美浦だが、財政は潤っていそうな感じ。実際、弊社の美浦寮近くにある公立の小中学校はそれはそれは立派な建物で、村役場にしてもまたしかり。まあ、納税額が年間ウン千万円みたいな方がゴロゴロいる地域だから、それもまた当然か。

 簡単に言えば「恐らく日本一リッチな村」。それが美浦というところです。

(馬サブロー美浦支局・玉川 祝)

【玉川の土曜推奨馬=東京2Rショーム】

 ダート向きの血統馬らしく、阪神ダート1800mの新馬戦で0秒1差の2着に好走。「放牧明けでも出来は大丈夫」と鈴木伸尋調教師。勝利が濃厚とみた。

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