一斉にJアラートが発動 その時、美浦トレセンは-

 皆さんもご存じの通り、8月29日の早朝に北朝鮮が北海道の上空を通過するミサイルを発射。当日筆者は休みとあってこの一大事の発生を知らず、通称『Jアラート』(全国瞬時警報システム)が鳴らなかった東京でのんきに寝ていたため、目が覚めてから事態を知ることになった。

 翌朝の美浦トレセンでは、当然のように「きのうは大変だったね」と関係者と話をすることになったのだが、茨城県はJアラート発動で大騒ぎになったという。そんなわけで、急きょ『美浦トレセンのその時』を取材した。

 アラート発動は午前6時頃。現在、午前5時に調教が開始されているトレセンは調教のまっただ中だった。

 S助手によると馬場内の多くの騎乗者が持つ携帯が一斉に鳴りだし、まずは「何だ?」となったという。文面を読むと「地下や頑丈な建物へ避難してください」と書いてあったようだが、「俺は馬に乗って馬場にいるんだぞ。どうせえと言うんじゃ!」とパニックの状況に。そしてすぐに「馬場を閉めますので全ての馬はいったん厩舎へ引き揚げてください」とJRAからも緊急放送が…。

 もっとも、「落下物を見かけたらお届けください」との文面に、「トレセンで落下物と言えばボロ(馬ふん)しかないけど…」との苦笑ものの話もあったそう。大別すれば、慌てず焦らずで大きな危機感を抱くとまではいかなかったもようだ。

 ケイコにまたがる数少ないトレーナーでもある武市康男調教師は「ちょうど1組目の調教が終わり、馬場を出た瞬間でしたね」と振り返る。「美浦村のサイレンも鳴りだすし、言われた通りに厩舎でしばらく待機していました。ただ、なかなかJRAからの待機解除の発表がなく、いつケイコを再開していいのやらと困りました」。

 武市師は馬場保全委員(調教を安全に運べるように見守る係)も務めており、翌朝にはJRAと話し合いを行ったという。「初めてのケースで、JRAからも”馬は驚きませんでしたか?””大きな出来事はなかったですか?”と本当に僕らを気遣う言葉を頂きました」。そして「幸いにも、人馬ともにトラブルの報告はなかったですね」。立場上のこともあり、ホッとひと安心の様子でした。

 今回の件は、いい経験になったとも言えなくはない。ただ、二度とこんなアラートが鳴り響いてほしくないとの思いも、誰しもが共通するところだ。

(馬サブロー美浦支局・玉川 祝)

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 直線競馬への適性の高さは、初めて連対した前走が示す通り。先週4連対と確変モードの宮崎北斗騎手も魅力で、一発のシーンを狙ってみたい。

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