松山将樹厩舎のカラーが『白』の理由 本当にすてきな話です

 水曜午後はワタクシが美浦で担当している厩舎への、いわゆる午後回りを行っている。その際、毎週のように顔を出している陣営のひとつが松山将樹厩舎だ。

 このトレーナーと知り合ったのは、彼が調教助手として師事していた平井雄二元調教師のところへ、ワタクシが出入りをしていたことが縁。つき合いはかれこれ、もう20年くらいだろうか。そんな経緯もあり、調教師に転身してからも取材を担当している次第だ。

 ”松山先生”と言えば、親子でJRA通算1000勝の偉業を達成した松山吉三郎、松山康久元調教師がすぐ頭に浮かび「レジェンドの末裔(まつえい)か?」と思われがちだが、実際は何の血縁関係もありません。将樹先生も「”松山の若テキ”とか、開業当初は言われましたけど…」と笑うように、勘違いされたことはやはりたくさんあったようだ。(※業界内では調教師のことを『テキ』と表現するケースがあるのです)

 それはともかく、なぜ彼は競馬の世界へ足を踏み入れたのか。もともとは普通の競馬ファン。「某共同馬主クラブの会員で、牧場観戦ツアーがあってそれに参加したんです」。そして「馬を見ているうちに、一口馬主よりも競走馬を育てる方が楽しそうだと思って牧場へ就職して、競馬学校を目指しました」と説明する。「馬券を獲り放題なのでは!」と競馬マスコミへ転職したワタクシの不純な動機と比べると(?)非常にすてきな話です。

 そんなピュアな彼らしく、厩舎のカラーは”ホワイト”。手綱からメンコまで、全て真っ白だ。美浦トレセンでほかを見渡しても、厩舎カラーにこの色を使っている陣営は見当たらない。珍しいので「どうしてわざわざ、汚れが目立ちやすい白なの?」と尋ねた。すると「実は僕も玉川さんと同じ質問をして、その答えに感銘を受けて採用を決めたんですよ」とうなずいた。

 理由はこうだ。技術調教師(試験合格後、開業前までの調教師のこと)時代に、栗東の大久保龍志厩舎へ勉強に行った時のこと。大久保厩舎のカラーが白で、ワタクシが投げかけた質問をしたのだという。答えは「汚れが目立つからこそ、余計にスタッフがきれいにして馬具を扱ってくれるんだ」。つまり、全く逆の発想-。「これは使える!とピンときました」と採用の経緯を教えてくれた。

 厩舎には今でも奥様との結婚式の写真が飾ってあり、愛妻家であることも間違いない。ちなみに夫人は小学校の教師。「僕が駄目になっても何とか食っていけそうです」と笑っていたが、47歳とまだまだ将来があり、この世界では若手の部類に入る一人。これからのさらなる活躍を祈っています!

(馬サブロー美浦支局・玉川 祝)

【玉川の土曜推奨馬=福島12R・ブラウンアニマート】

 コース形態の似ている小倉ダート1700mで、3走前に現級戦を圧勝。降級+3キロ減の武藤雅騎手の手綱は魅力で一変のシーンを期待する。

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