菊花賞

 日本の至宝だ ディープ無敗の3冠

2005/10/23・京都競馬場
 
ディープの馬上で3本の指を掲げ、3冠をアピールする武豊=京都競馬場
  競馬の枠を超えたヒーローの3冠伝説が完結した。13万6701人の大観衆が見守る中、天才・武豊(36)に導かれたディープインパクト(牡3、栗東・池江郎きゅう舎)は最後の直線で持ち前の瞬発力を発揮。アドマイヤジャパンを抜き去って、史上6頭目の3冠馬となった。無敗3冠は84年のシンボリルドルフ以来、21年ぶり史上2頭目の快挙。次走はジャパンC(11月27日・東京)か有馬記念(12月25日・中山)の選択となる。武豊は菊花賞4勝目でG1通算勝利は区切りの50勝。

 しびれるような感動と興奮だった。人智を超えて存在するディープインパクトが、矢のような末脚で栄光のゴールを突き抜けた。身動きできないほどに詰め掛けた13万人を超える観衆は、どよめき、スタンドを揺らした。7戦7勝、史上2頭目の無敗3冠馬誕生だ。

▼ 第66回菊花賞
1着  ディープインパクト
武豊
3.04.6
2着 アドマイヤジャパン
横山典
2
3着 ローゼンクロイツ
安藤
4

 単勝は元返しの1・0倍。お守り代わりに買った人もいるだろう。大きな期待に応えた。

 「落とせないレースだった。3冠は騎手として誇れること。自慢できること」。武豊は馬上で3本の指を高々と掲げた。

 3冠伝説最終章は、思わぬ好スタートから始まった。1周目の坂越え。行きたがる面を見せ、いつもより前の位置で運ぶと、ラチ沿いの7番手でやっと折り合った。向正面を過ぎ、2度目の坂越えを乗り切ると、残り550メートルを合図にユタカがGOサイン。

 先行するアドマイヤジャパンを捕まえられるのか。杞憂(きゆう)だった。「また飛んでくれましたね」とユタカ。これまでにないほどの必死のムチに応えた上がりは33秒3と、いつもの衝撃波だ。ゴール100メートル手前で捕らえると、並ぶ間もなく差し切った。

プレゼンターの井上和香から花束を受け取る武豊=京都競馬場

 歴代3冠馬の中でも最軽量の444キロ。2002年セレクトセールでは、小柄なこともあってか、上から12番目となる購買価格(7000万円)だった。しかし、その体には光り輝く不屈の魂が宿っていた。

 栄光と3冠ボーナス1億円もつかんだディープには次なる戦いが待つ。金子オーナーは「様子を見てからだけど、年内に使いたい。2つ(JCか有馬記念)ぐらいのどれかと思っている」と明かした。その先は世界。「来年、チャンスがあれば挑戦したい。ただ、これまでも経験したが、色んなリスクがある。リスクなしに挑戦させることができればですね」。世代最強馬から日本最強馬、世界最強馬へ。ディープは競馬界だけでなく日本スポーツ界が誇る至宝となった。 (井上達也)

ディープインパクト…牡3歳。父サンデーサイレンス、母ウインドインハーヘア(母の父アルザオ)。馬主・金子真人ホールディングス(株)。生産者・早来 ノーザンファーム。戦績・7戦7勝。重賞・05年弥生賞、皐月賞、日本ダービー、神戸新聞杯。総収得賞金・610、103、000円。池江泰郎調教師は86年メジロデュレン、90年メジロマックイーンに次いで3勝目、武豊騎手は88年スーパークリーク、96年ダンスインザダーク、00年エアシャカールに次いで4勝目。

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