【東京大賞典】オメガパフュームが史上初の3連覇 断然の1番人気でゴール前の激戦制す
「東京大賞典・G1」(29日、大井)
オメガパフュームが史上初の3連覇-。開催4日目の10Rで行われ、断然の1番人気がゴール前の大接戦を制して偉業を成し遂げた。9番人気のカジノフォンテンが最後まで食い下がって首差の2着。外から追い込んだウェスタールンドがさらに1/2馬身差の3着に入った。
やはり年末にはこの馬、このジョッキー。苦しみ抜いた末にオメガパフュームが史上初の快挙を達成。単勝1・3倍。負けられない戦いを首差で制し、鞍上は思わず右手で力強くガッツポーズだ。
前走のJBCクラシックの1、3着馬が不在。「断然の人気で負けられなかった」とM・デムーロ。淡々とした流れで、前半の1000メートル通過が64秒9のスロー。これを5番手の外めで追走。4角入り口では先行馬を射程圏にとらえて直線へ。楽に抜け出すかと思われたが、ラスト200メートル過ぎからはカジノフォンテンが内で応戦。ゴール寸前まで続いたデッドヒートを最後の最後に力でねじ伏せた。
「厳しい展開。早めに抜け出すとモノ見をするし、厳しかった」と苦笑いの主戦は、何とこれが、自身1カ月ぶりの白星。「応援してくれるファンの皆さんに心配をかけたし、苦しかったけど、最後にG1を勝ててて良かった、うれしい」と胸をなで下ろした。
この3連覇で大井での交流G1は7戦4勝(2着3回)。チャンピオンズC(中京)をあえてパス。“自分の庭”で結果を求めた。「3回続けて出走することも簡単じゃないのに、その中で結果を伴ってくれた。この馬に携われてオーナー、関係者に感謝です」と安田翔師はうれしそう。原禮子オーナーも「馬に感謝です。ありがとう」と頼もしい愛馬にねぎらいの言葉をかけた。
明けて6歳。「さらにキャリアを積んでいきたい」と指揮官。2021年のスタートは川崎記念・Jpn1(1月27日、川崎)を視野に据える。そして年末の“4連覇”へ。新たな戦いにしばしの休息だ。
カジノフォンテン(2着)「ホント悔しい。折り合いも距離も完璧だったのに、俺の根性が足りなかった」(張田昂)ウェスタールンド(3着)「久々にトップコンディション。オメガの後ろは思った通りだったが、ペースが遅くて向正面でハミを取った分、最後に伸び切れなかった」(藤岡佑)
ヒストリーメーカー(4着)「スタートの1歩目がつまずき加減だったけど、内からしぶとく伸びてくれた。全体的にはよく頑張ったと思う」(北村友)
ミューチャリー(5着)「スムーズに走れたけど、外枠だったから。よく頑張っている」(御神本訓)
ハナズレジェンド(7着)「初めてのG1で、初めての地方競馬場。7歳馬だけど、よく走ってくれました」(坂井瑠)
デルマルーヴル(8着)「リラックスしていて状態は良かったけど、ペースが遅く、いい脚は使ったけど、届かなかった」(戸崎)
モジアナフレイバー(9着)「走りっぷりが悪かった。結果的には、南部杯の疲れが残っていたのだろう」(繁田健)
ノンコノユメ(11着)「内にこだわった分、進路の差が出た。最後は伸びているが、脚が一緒になった」(矢野貴)
ダノンファラオ(12着)「スムーズな競馬で、あそこから直線頑張れるのがこの馬の特徴なのに、今日はそういう走りができなかった」(川田)