【ボート】若手レーサーたちの水神祭に沸いたびわこでのヤングダービー

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 9月に行われたプレミアムG1・ヤングダービー(びわこ)は、今回がヤングダービーのラストイヤーとなった磯部誠(30)=愛知・105期・A1=が、2コースから差して優勝。最後のチャンスをしっかりとモノにした。2着にもラストイヤーだった木下翔太(大阪)が入り、ヤングダービー初出場で、優勝戦1号艇を勝ち取った上田龍星(大阪)は惜しくも3着に終わった。磯部、木下がSG、G1での経験値の違いを見せつける形で幕を閉じた。

 優勝戦は、格の違いを見せつけられたが、今シリーズは水神祭に沸いたシリーズでもあった。

 52人のヤングダービー出場選手の中で15人がG1未勝利。初1着を求めてびわこに乗り込んで来た。初日に女子の出口舞有子(愛知)が、水神祭で水面に飛び込んだのを始め、その後は2日目に大塚康雅(東京)、黒野元基(愛知)、村上遼(長崎)、井上忠政(大阪)の4人。3日目は豊田健士郎(三重)、中田達也(福岡)、山ノ内雅人(福岡)の3人、そして4日目には、喜多須杏奈(30)=徳島・110期・A2=。5日目にも加藤翔馬(兵庫)、中村泰平(大阪)の2人、最終日は木田峰由季(福井)がG1初1着を決め、12人がうれしい水神祭を決めた。

 4日目にイン逃げを決めた喜多須は、今回がヤングダービー最後の年で水神祭を達成した。デビュー8年目で、初のG1出場となった8月に行われたプレミアムG1・レディースチャンピオン(多摩川)では、高勝率エンジンを引くも1着を取れず、水神祭を達成していく後輩を見ながら悔しい思いをしてきた。それだけにヤングダービー前検では「目標は1着です」と力強く語り、レースに集中していた。

 ただ、今回は、レディースチャンピオンとは違い、中堅以下の平凡機。3日目までは4、3、6、5着と苦しんだ。そして4日目にやっと巡って来た1号艇。「すごい緊張した」とレース前は外から見ていても分かるほどだった。

 レースはインからコンマ14の快S。1Mを先に回ったが、2コースの松山将吾(滋賀)が豪快なツケマイでバックは並走。しかし1周2Mで振り切る、G1初1着のゴールを駆け抜けた。「レース前も、レース中もずっと緊張していた。やっと1着が取れてホッとしました。ちょっと時間はかかったが、びわこでできて良かった。多摩川は水が汚かったですからね(笑)水がきれいなびわこまで取っておいたってことにしましょう」と冗談を交え、本当にうれしそうに笑っていたのが印象的だった。

 さて、賞金争いでも若手の台頭が目立ってきた近年。特に女子は世代交代の兆候が顕著に表れており、若手の活躍からは目が離せない。それも含め、今年のヤングダービーは初日1Rから最終日の優勝戦まで、話題を欠かさないいい大会だったと思う。(関西ボート担当・安藤浩貴)

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