【地方競馬】素質馬がそろう西日本地区地方競馬の3歳牝馬勢には今後も注目

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 今年も地方競馬では8頭の地区ダービー馬が誕生し、その内2頭が牝馬。

 ハクサンアマゾネス(牝3歳、金沢・加藤義)はJRA未出走で金沢に移籍後の4月の遅いデビューから無傷3連勝で石川ダービーに臨み、4連勝で当レースを制覇。ニュータウンガール(牝3歳、笠松・井上孝)は東海ダービーで重賞5連勝を達成する快挙を成し遂げた。

 ただ、西日本地区5場(名古屋、金沢、園田、高知、佐賀)の他3場でも、当地クラシック戦線をけん引して戦前主役と目されたのは牝馬だった。

 園田は、兵庫1冠目の菊水賞を含め、圧倒的なスピードで重賞4連勝を飾ったステラモナーク(牝3歳、兵庫・新子雅)。高知では1番人気こそ大井からの遠征馬に譲ったが、高知1冠目の黒潮皐月賞を制したレインズパワー(牝3歳、高知・細川忠)。佐賀では当地10戦全勝、重賞5勝の実績を挙げて臨んだミスカゴシマ(牝3歳、佐賀・平山宏)。この3頭、ステラ、レインズが2着、ミスカゴシマが3着。どの馬たちも惜敗であり、主役にふさわしいレースぶりだったと思う。

 この結果も含め、戦績からも既にそれぞれの地区の特別な存在になりつつある期待の高まる女傑候補の面々。地方競馬では春に世代別牝馬重賞として3歳グランダムシーズンとして全国各地で交流重賞レースが行われていたが、前記メンバーによる対戦はなく、今後の顔合わせはぜひとも期待したいところだ。

 早速7月28日には金沢競馬場での「第64回MRO金賞」でハクサンアマゾネス、ニュータウンガールのダービー馬2頭が激突。結果は地元の牡馬フジヤマブシが出遅れをリカバリーして大外強襲を決め、ハクサンは3着、ニュータウンガールが2着。テンから厳しい流れとなったレースは見応え十分。敗れはしたが両頭とも能力の高さは示した印象だ。

 さて、注目が集まる兵庫競馬の快速牝馬ステラモナークの動向だが、新子雅師は「中間、京都宇治田原優駿ステーブルへ放牧。帰厩後は園田オータムトロフィー(9月3日)で始動して、デイリースポーツ賞・楠賞(11月14日)、兵庫ゴールドトロフィー(12月23日)の地元3レースを目標に」と青写真を語り、続いて「兵庫ダービーは負けはしたけど器用に立ち回れていたし、収穫があった一戦。牝馬ながら馬格はあるし、スピード十分。まだ成長も見込めますからね」と期待を込める。

 3歳1月の時点で園田の1400メートル戦で1分27秒台をたたき出したスピードはまさしく非凡。再び最も輝ける7F戦の楠賞、兵庫ゴールドトロフィーでは強豪を相手に一層成長した姿を披露してくれることだろう。(地方競馬担当・工藤 修)

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