【地方競馬】7000勝騎手も“競馬は枠”?!

 「地方競馬記者コラム・仕事 賭け事 独り言」

 ちょっと前の話だけど、昨年暮れのこと。有馬記念ウイークになると、例年各スポーツ紙は1面から大々的に特集ページを組み、その中に各界の著名人予想というお決まりのコーナーが作られる。

 当然、ふだんは中央競馬に関係ない芸能記者や野球記者、そして小生のような地方競馬担当記者にも取材・出稿の指令が来るわけで、南関東地方競馬といえば7月に通算7000勝の金字塔を打ち立てたレジェンド的場文男騎手(61)にご登場願うしかない。

 話を聞いたのは、まだ枠順確定前の12月18日(だったと思う)の浦和競馬場。ちょうどその週の水曜日(20日)に重賞の「ゴールドカップ」があり、的場さんは有力馬のケイアイレオーネに騎乗予定だったが、発表済みの枠順は大外8枠12番。「決まったものはしょうがないけど、ここの外枠は苦しいよね」なんて話の続きでの取材となった。

 「俺はキタサンブラック。ジャパンカップは競馬のアヤで負けたけど、春と秋の天皇賞の強さは並大抵のものじゃなかったからね」とまずは大本命を挙げた後に続けて「あのコースは完全に内枠有利。相手は5番以内の馬じゃないかな」。

 この話を聞いてすぐ思い出したのが、“枠順ドラフト”が行われた2014年の有馬記念。抽選で指名された出走馬の関係者が希望のゲート番号を選択する方式で枠順を決めた唯一の年のことだ。

 クジによって指名順が決まり、1番手のジェンティルドンナが2枠4番、そして2番手のトゥザワールドが3枠6番、3番手のヴィルシーナは1枠2番と内寄りの偶数枠から埋まっていき、1番人気が予想されたゴールドシップは16頭中13番目で7枠14番となった。

 そして結果は、1着が4番ジェンティルドンナで、2着は6番トゥザワールド。14番ゴールドシップは3着を確保するのがやっとで、指名順通りの組み合わせで馬連は123・5倍、馬単は211・9倍の高配当となった。

 ご承知の通り、昨年の有馬記念は的場さんの本命だった2番キタサンブラックが圧勝し、2着は8番人気の3番クイーンズリングが食い込んでの中波乱。重ねて書くが、的場さんへの取材は枠順確定前だったのだが「相手は5番以内」の“予言”も大的中だったのだ。

 ちなみに的場さんに近い人によると、7000以上も勝っている競馬界のレジェンドだが、騎乗馬の枠が内寄りだと機嫌が良く、期待馬が大外になってしまったりすると、テンションがやや下がり気味になることもあるとか。

 そこで南関東での馬券作戦を一つ。「白帽の的場文騎乗馬は黙って買え!」。それでも的場さんが外枠から強引にハナを主張して、そのまま押し切るシーンも時々あるのでご用心を!(南関東地方競馬担当・関口秀之)

編集者のオススメ記事

レース記者コラム最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(競馬・レース)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス