【ボート】震災を乗り越えて繋いだワンちゃんとの絆

 「ボートレース記者コラム・仕事 賭け事 独り言」

 以前に女子選手を取り上げる紙面で紹介した話題だが、書き切れなかったことがたくさんあるので、このコラムでもう一度詳しく取り上げてみる。

 ボートレーサーでボランティア活動をしている人はたくさんいるが、小神野紀代子(55)=東京・48期・B1=も犬、猫の里親を捜すボランティア活動を行っている。

 きっかけは2011年3月の東日本大震災。5カ月後の8月から、月に1、2回のペースで福島へボランティアで行き、取り残されていた犬を保護したのが始まり。「成犬2匹と、子犬9匹を保護しました。子犬は里親が見つかるが、成犬は引き取ってくれる人が少ない。母犬は震災後9匹の子供を産み、誰もいない中、子犬を育てた頑張り屋さん。その頑張りに応えてあげようと、うちで飼うことにしました」。

 小神野は高校時代に馬術部に所属して、インターハイ出場経験もある。子供の頃から動物が大好きで、ボランティア活動をする前から現在12歳になる、「ぽてぱん」という犬を飼っていた。ある日、小神野がレース場でケガをして帰って来ると「帰ってみると家にいた、ぽてぱんが同じところをケガしていたんです。その時、何かぽてぱんに助けられている感じがした」。このことがきっかけで犬をもっと好きになったと話す。

 現在は野犬を保護して人間と生活できるように育てている。「野犬は人に嫌なことをされたのを覚えているんです。だからすごくなつかないんです。放っておくと保健所にも連れて行かれるし、何とかしようと思い、1カ月レースを休み、しつけをしたこともあるんですよ」とレースでは見られない笑顔で、犬との生活を話してくれた。

 もうひとつ小神野は震災後、保護した犬たちとの生活を絵本にして自費出版している。先日、紙面で掲載してくれたお礼として、記者にその絵本「ふくちゃんとつくば~震災を乗りこえ繋いだ小さな命~」を私にプレゼントしてくれた。心温まる話です。ぜひ読んでみて下さい。(関西ボートレース担当・安藤浩貴)

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