【ボート】住之江のエースは39号機 乗り手を選ばない強力機にG1でも注目

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 若松ボートで行われたSG・メモリアル。寺田祥(38)=山口・81期・A1=が圧倒的な機力で頂点に上りつめた。その姿を見ていると、この競技において、エンジンというものがどれほど重要な役割を担うか、改めて思い知らされた感じがする。

 私が取材することが多い住之江ボートでは9月6日から今年のG1第2弾・高松宮記念特別競走が開催される。現行エンジンは初下ろしから約半年が経過した。年末にはSG・グランプリ(12月19~24日)も行われるとあって、他場よりも圧倒的に注目度が高い当地エンジン。現状をしっかりと把握しておく必要があるだろう。

 オール大阪・夏の陣「摂河泉競走」(8月12~17日)終了段階で、オレンジプレートが与えられる上位6機は「64」「7」「8」「12」「37」「10」。トップは64号機。力強い舟足で着をまとめ、常にシリーズをけん引しているイメージがある。ただ、これまで操縦した9人中7人がA級レーサー。乗り手に恵まれている感は否めない。そしてこの64号機、摂河泉競走の準優勝戦で転覆。最終日も5着に終わったように、何かしら影響が残っている可能性はある。

 2位につけるのは7号機。確かに出足など強力に仕上がるときはあるが、それでも節イチ評価を受けることはなく、どのシリーズでも2、3番手といったイメージ。しかも、こちらも手にした9人中8人がA級。数字ほどのインパクトはない。

 3位は8号機。初下ろしからずっとトップに君臨していたが、ついに陥落。4人前の吉田健太郎(37)=愛知・84期・A2=がFをした辺りから、エンジンのリズムが下降した印象だ。ただ、乗艇した全選手が力強さを感じていたように、調整面など何かきっかけがあれば、最浮上する力は備わっている。

 4位の12号機は、常に安定した成績を残す好エンジンであるのは間違いない。ただ、4度の優出で3、4、4、4着という結果が示すように、ワンパンチ足りないのも確かだ。

 5位の37号機は新顔。摂河泉競走で田中信一郎(44)=大阪・69期・A1=がオール2連対の成績を残し、一気にランクアップしてきた。ただ、7月G3戦の馬袋義則V以降、エンジンがひと味違う動きを見せているのも事実。要注目の1機だ。

 そして、10号機が6位。少し順位を下げたものの、行き足から伸びにかけてのパワーは上位5機をしのぐ。潜在能力は抜群だけに、もう少し乗り手に恵まれれば、首位浮上も十分ある超優良機だ。

 確かに、この6機は強力だ。それでも、エース機はと聞かれれば、39号機と即答するだろう。抽選でゲットするのはB級選手ばかりと、乗り手に恵まれないのは相変わらず。それでも、中田達也(23)=福岡・113期、そして庄司樹良々(25)=東京・104期=とB級レーサーで2節連続優勝。しかも、ともに1着量産の圧倒Vだったのには正直驚かされた。『乗り手を選ばない』。これこそが“エース”の証だろう。

 個人的には横綱が39号機で、8&10号機が大関という見立て。次のG1リーズでこの注目3機を誰が手にして、どれほどのパフォーマンスを見せてくれるのか。今から楽しみにしている。(関西ボート担当・上村武馬)

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