末武里奈子「890G」の御利益で師匠に恩返し
【第125回】末武里奈子(29)=山口・118期=
末武が初めて作ったヘルメットは、オートレーサーの荒尾聡(飯塚)にデザインしてもらった。「ちょうどヘルメットのデザインで悩んでいた時に、お父さんの知り合いだった荒尾さんに描いてもらうことになりました。(白井)英治さんもデザインしてもらっていると思いますよ」と、お願いすることになったようだ。
本当は自分で考えようとも思ったが「自分は本当に絵心がないんです。ネットを見ていても悩むし、良かったです。ラメがキラキラしている感じがいいしすごく気に入りました」と満足そうだ。
ただ、末武にはヘルメットを作るのに譲れないものがあった。「890Gって描いてあるんですが、これは母の友達のお寺、伯応寺のことなんです。お寺の息子とは幼なじみで、ヘルメット代とか出してくれてお世話にもなっているし絶対入れたかったんです」と決めていた。「本当はそのまま漢字で入れたかったが、幼なじみが恥ずかしいと言うので妥協案を探り、これならいいよと言うことになりこうなりました」といきさつを話してくれた。
「来年5月が次のヘルメットの交換だが、知り合いの方がデザイン制作を立候補してくれています。どんないいのができるか楽しみです」と期待している。
レースの方は休みも多く、いい結果が残せていないが「引退された師匠の今村(豊)さんにはかわいがってもらったし、頑張っているところをたくさん見てもらいたい」。偉大なる師匠も彼女が活躍する姿を楽しみにしていることだろう。