【ボート】73歳の加藤峻二が引退

 戸田でのフライングが原因で引退を決意したと話す加藤峻二=港区三田の笹川記念会館
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 ボートレース界の大レジェンド、73歳の加藤峻二=埼玉・5期・B1=が、現役を引退することになった。

 ボートレーサー生活56年。ボートレースの歴史とともに駆け抜けてきた加藤が、7日午後から都内で会見にのぞみ、現役引退を発表した。

 会見で加藤は「きっかけは先日(1日)の戸田でのフライング。これが最大の理由です。選手生活56年で頭にあるのは先日のフライングしかない。フライングしたのが未だに信じられず、この気持ちでは続けられないと…」と引退の理由を説明した。また、引退発表はしたものの「まだ走りたかったという部分も当然あります」と未練も口にした。

 加藤は1942年1月12日生まれ。1959年7月24日に、ボートレーサー第5期生として戸田でデビュー。G1優勝21回、SG戦では、1970年3月の住之江・鳳凰賞(ボートレースクラシック)、1972年蒲郡・全国地区対抗(現在のボートレースオールスター)、1977年の住之江・笹川賞(ボートレースオールスター)、1977年8月の浜名湖・モーターボート記念(ボートレースメモリアル)で4度の優勝がある。センターからの果敢な攻めが持ち味で、全盛期には、その走りは“ハヤブサの舞い”と言われた。

 2013年3月25日には、公営競技史上最年長となる71歳にして戸田ボート一般戦で優勝を飾った。さらに72歳になった翌2014年5月の戸田一般戦でも20代の若手選手らを相手に優勝戦まで進出。惜しくも3着に終わったが、“シニア世代の星”として称えられた。

 最後のレースとなったのは5月1~6日まで戸田ボートで開催された一般戦。初日にフライングをしてしまった加藤だが、その後も華麗なレースを続け、1節間の成績は「F2331221」と、F以外のすべてのレースで3連単舟券に絡む活躍で、最後の最後までファンに貢献した。最終レースは、6日の2Rで、5コースからの差しで1着だった。

 通算出走回数は1万4652走で、1着3294回で、優勝戦進出が399回、優勝は120回。生涯獲得賞金は16億3575万9463円。

 また、4月のマスターズチャンピオンで完全優勝を飾った今村豊は、加藤引退の一報を聞くなり号泣。「私にとっては一番の目標であり、神様のような方だった。もうちょっと走っていて欲しかった」とコメントした。

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