【児島G1黒明コラム】優勝戦は佐藤翼、茅原悠紀の一騎打ち 茅原の地元周年初Vを願う

 今大会は久しぶりに面白いレースを見せてもらった。6コースまくり2回を含め、G1戦で1着を5回獲った佐藤翼はうまく57号機を乗りこなしていた。予選でまくりをバンバン決めた選手がみんな準優へ乗ったため、5日目の一般戦は浜野谷憲吾、池田浩二、田村隆信らうまい選手のまくり差しが決まり、準優は3レースとも逃げで決着した。

 準優10Rは桐生順平が順当に逃げた。エース36号機の渡辺和将は2コースからスタート(S)も行ったが、2コースの難しさがもろに出た。予選最後に池田をまくったように攻めて行く気もあっただろうが、インの桐生もまくられないSを行った。カドから菊地孝平が攻めて行き、1周1マーク(M)は浜先真範がまくり差しで入りオッと思わせたが、2Mをうまくこなさないといけない。この辺りに経験の差が出る。菊地はカドから自分でレースをつくっての2着取り。桐生、菊地のSG覇者2人が貫禄を示した。

 11Rは6枠の藤山翔大が前付けの4コース。S展示は3号艇・海野康志郎が5カド。本番では4号艇の斉藤仁が5カドとコースが入れ替わった。深い進入になった茅原だが、3コースの海野がいい仕掛けをした分、外にまくられることなくしっかり逃げられた。5カドに転じた斉藤もしっかりさばいて2着。前本泰和は2コースからまくって出たが3着という結果。予選でいいまくりを見せていた藤山には、ぶっ飛んでもいいからまくって攻めてもらいたかった。

 12Rは佐藤の独り舞台。毒島は差しても回ってからグイッと出て行く佐藤には届かない。満潮でこの日一番の1分47秒8の1着タイムを出すのだからすごい。(吉田)拡郎は外マイで攻めたが、2Mで突っ込んできた入海馨ともつれてしまった。準優は残念な結果に終わったが、初めての地元周年で予選を突破したことは入海にとって経験値になる。優出したのは茅原だけだが、地元勢はみんなそれぞれに頑張った。

 優勝戦は関東勢が多い中で、地元茅原が孤軍奮闘。メンバーは桐生順平、毒島誠、菊地孝平と常にグランプリに行く好メンバーばかり。実績は他のメンバーが上だが、佐藤は結婚後に強くなった。嫁さん(土屋南)がレーサーで、嫁さんの地元が児島だけに力も沸いてくる。佐藤も地元の気持ちで走っているはずだ。南の両親や親戚にも自分の力を見せる格好の舞台。第二の故郷・児島でG1初優勝を目指す。対する茅原は真の地元選手。多摩川周年の優勝でグランプリも見えてきた。地元で勝ちたい気持ちは誰よりも強い。足は佐藤が本物だが、茅原にはそれに負けないターン力がある。優勝戦は佐藤と茅原の一騎打ち。①=②の折り返しから3着に③と④。穴があるなら桐生がツケマイで攻めた場合。毒島のまくり差しで④①②と④①③があるかも。どこからでも買いたくなる好選手がそろった優勝戦。最後も好レースに期待したい。(本紙評論家・黒明良光)

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