【児島G1コラム】児島グラチャンVの前本泰和 G1初優勝を飾った児島との相性は抜群

 10月から岡山でも飲食店の通常営業が始まり、街に活気が戻ってきた。毎日お総菜を買って帰り、家でグダグダ飲みをしていた私だが、久々に外に出たくなった。何しろ今節はスピードに乗らない。動きが鈍い。仕事量も多いのだが、つながりが悪くて全然作業が進まなかった。「早く原稿を出せよ」とか「こんなダラダラ長い文章書いてんじゃねぇよ」というデスクの鬼の形相が頭に浮かび、気持ちがズドーンと落ち込んだ。この先は長い。これで持つのか不安になった。

 こんな時はあの手しかない。飲みに出るのだ。「飲みに行くぞ」と決めた途端、何の物質が分泌されるのか知らないが脳が高速回転を始める。頭と腕が連動し、サクサク原稿が書ける。突然仕事が早くなるため、飲みに行くことはデスクにバレバレだろう。仕事は早く終わるが、副反応も強く出る。回転が上がり過ぎて夜の町でキャビり、翌日は体が重い。これが私のパターンだ。

 以前、意を決して禁酒をしたことがある。普段、世間話などしてくれない前本泰和だが、コラムに禁酒に至る経緯を書いた時、例の冷静な口調でこう言われた。「禁酒したんじゃってね。適度に飲むならお酒はいい。でも、野白さんはそれができんのんよね」。0か100の私の性格をよく知っている。それが直らないことも分かっている。

 ピットではクールな対応をされるが、他の記者からこう聞かされた。「野白さんがピットにいない時、前本選手が心配してたよ。野白さん、またリストラされたんですかって」。いつも塩対応なのに、本当は陰で心配してくれている。そう思えたから、今もこうして仕事を続けてこられた。だから、前本のグランドチャンピオンの優勝は心からうれしかった。6月は外食ができなかったから、高いシャンパンを買って一人で祝杯を挙げた。

 児島では07年10月、15年7カ月目にしてG1初優勝を飾り、中国地区選V歴もある。遅咲きだが、今も進化し続ける前本に、私は勇気をもらっている。

 9R 前本が冷静にさばく。⑥①流し。

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