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SG・賞金王決定戦

井口、圧逃V

2008/12/23 住之江 競艇

                                   
▼SG・賞金王決定戦
着順連番 選手名 住所進入 ST
1着 @ 井口 佳典 三重 1 12
2着 C 浜野谷憲吾 東京 4 18
3着 E 吉川 元浩 兵庫 6 23
4着 A 松井  繁 大阪 2 16
5着 B 湯川 浩司 大阪 3 19
6着 D 瓜生 正義 福岡 5 22

 「SG23回賞金王決定戦」は23日、大阪・住之江競艇の最終日12Rで決定戦ファイナルが行われ、1号艇の井口佳典(31)=三重・85期・A1=がインから押し切り快勝。今年6月の平和島・笹川賞以来、7カ月ぶり2度目のSG戴冠を飾り、栄えあるゴールドヘルメットと優勝賞金1億円を獲得した。同時進行のシリーズ戦の優勝戦(10R)は地元の田中信一郎(36)=大阪・69期・A1=がイン逃げで制した。

和田アキ子(左)と井口佳典(右)

和田アキ子(左)の祝福を受け、ポーズを決める井口佳典

艇界新時代の幕開け

“銀河系”初の金冠


 07年の汚名返上 完ぺきな逃げ切り勝ちとはこのことだ。王者も同期も前年覇者も東都のエースも博多の刺客も寄せつけず、井口が圧倒的な人気に応えて金冠を手にした。

 「前検から勝てる脚だとは思ってた。ターンは今までにないぐらいに掛かりましたね」。トップSから難なく1M先制。勝ちタイムも1分44秒5と、新ペラ基準導入後の当地最速タイムを更新した。「焦りも緊張もなく臨めた。大げさに言えば、Sを切った瞬間に優勝を確信しました」と満足げに激闘を反芻(はんすう)する。

 今年は6月平和島で笹川賞を制覇してSGウイナーに。その後、しばらくはペラが合わず、F禍もあいまって調子を落としていた。だが、迫り来る大一番に向けて集中力を研ぎ澄ました。

 前走の津周年から過酷な減量を課し、4日間で4〜5キロも絞り切ったという。「気を引き締めるためにも減量してましたね。去年は最低なレース(エンスト)をしたんで、これで吹っ切れると思う」。07年の福岡大会で着せられた汚名を返上すると同時に、「津に黄金のヘルメットを持って帰る」という戦前の言葉を見事に実行した。

 登録番号4000番台初の当大会Vは、すなわち艇界の新たな歴史を切り開いたことを意味する。そして“銀河系軍団”85期の中でも、出世争いにおいて一歩リードした。「賞金王は本当に楽しいので、またこの舞台に戻ってきたい」。艇界のニューリーダーとして、再び頂点を争うために―。09年も全身全霊を打ち込んで突っ走るのみだ。

今垣光太郎

1周2M

【豪快な先マイから押し切る】

 ピット離れはほぼ互角で、S展示と同じく3対3の枠なり進入ですんなり折り合った。インを主張した井口は小回りブイ付近(130メートル)からの楽な起こしになり、スリットラインをコンマ12のトップタイミングで通過。1Mは3コースから果敢に仕掛けた湯川をけん制しつつ、豪快な先マイを放って堂々と押し切った。カドから差し伸びた浜野谷が2着確保。3着争いはもつれ、湯川、松井の前競りを突いた吉川が、2周1Mでうまく切り込み混戦を断った。
     


松井は4着敗退艇王超えならず

 公営競技での年間獲得賞金額の記録更新がかかった王者・松井繁は、2コース差しから3着争いに加わったものの、2周1Mで湯川浩司と競り合い、間隙を突いた吉川元浩に先着を許して4着敗退。艇王・植木通彦超えはかなわなかった。「ペラを替えて脚はよくなっていたし、全力で走ってこの結果だから仕方がない」と冷静に振り返った。それでも、獲得賞金は2億1千万円を超えて“賞金王”は獲得。「今年は苦しかったけど、自分の能力以上にやってきた。いい1年でした。来年も頑張りますよ」と早くも気持ちを切り替えていた。

瓜生6着…華丸来年の雪辱誓う!?

 瓜生は6着、華丸も超ビッグ配当ゲットならず…。博多華丸が予想した(5)(6)流しは、肝心の瓜生がカドを取れず。道中も大きな見せ場はなく6着に敗れた。テレビ観戦していた華丸。なぜ、カドが取れないと悔やみつつも「瓜生君、地元に帰って2人でやり直しましょう」と握りこぶしで来年のリベンジ“アタックチャンス”を誓ったとか、誓わないとか…。

浜野谷憲吾  2着

 井口君がいいSを決めたから仕方がない。脚は最終日が一番の状態。決定戦の2着は自己最高だけど、この結果には納得していない。

吉川元浩  3着

 Sタイミングというより、何か消化不良で力を出し切れなかった。反省点はいろいろあるので来年につなげたい。

湯川浩司  5着

 一発勝負なので、欲をかいてペラをやったが失敗。悪くなっていた。内2艇のSもよかったし…。同期の井口さんに先を越されたので追いつけるように頑張る。

瓜生正義  6着

 S展示のFで勘がおかしくなって…。脚はよかったですよ。もっと前を走っていればね。もう一度、ペラをやり直して来年頑張ります。

井口佳典(いぐち・よしのり)1977年8月22日生まれ、31歳。三重県出身。松阪工業高校卒業。日本硝子繊維株式会社を退社後、競艇学校85期に入学。99年11月に津でデビュー。同期の田村隆信、湯川浩司、丸岡正典らとともに「銀河系軍団」として注目を集める。08年6月に笹川賞(平和島)でSG初優勝を達成。同年12月に第23回賞金王決定戦(住之江)を制した。通算優勝回数28回。生涯獲得賞金額は4億7628万3400円。身長167センチ、体重49キロ。血液型はA型


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